
唾を飲み込むたびに耳からバリバリという音が聞こえたり、耳が詰まった感じになったりしていませんか?
この厄介な症状は、決して珍しいものではなく、多くの人が経験しています。
実は、このバリバリという音は耳管という重要な器官の機能異常が関係しているのです。
この記事では、その原因から対処法まで、医学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説します。
症状の正体を知ることで、適切な対処ができるようになり、不安な気持ちから解放されるでしょう。
唾を飲むと耳がバリバリするのは耳管の開閉機能が低下しているサイン

唾を飲むと耳がバリバリする最も一般的な原因は、耳管(じかん)という管の開閉機能が正常に働いていない状態です。
これは医学的には「耳管機能異常」と呼ばれており、耳鼻科の診療で頻繁に見られる症状です。
耳管は鼻の奥と中耳をつなぐ細い管で、通常は閉じていますが、唾を飲み込んだりあくびをしたりするときに一時的に開き、中耳の気圧を調整する重要な役割を担っています。
この開閉がうまくいかなくなると、気圧のバランスが崩れ、バリバリという音や耳の詰まり感が生じるのです。
唾を飲むと耳がバリバリする主な原因は?
風邪や鼻炎による耳管の炎症
最も多い原因は、風邪や鼻炎による耳管の炎症です。
風邪をひくと鼻やのどに炎症が起こりますが、この炎症が耳管にまで広がることがあります。
耳管が炎症で腫れると、管が狭くなり、唾を飲み込んでも耳管が正常に開きにくくなるのです。
風邪や鼻炎による症状の特徴
- 唾を飲み込むときにバリバリ、ポコポコという音が聞こえる
- 耳が詰まった感じが続く
- 難聴や耳鳴りを伴うことがある
- 風邪の症状(くしゃみ、鼻づまりなど)がある
- 通常は数日~2週間で自然に改善する
急性中耳炎による症状
風邪から中耳に炎症が広がると、急性中耳炎になる可能性があります。
この場合、バリバリという音に加えて、耳の痛みが生じるのが特徴です。
特に子どもに多い症状で、放置すると鼓膜が穿孔(破ける)するリスクもあるため、注意が必要です。
急性中耳炎の症状
- バリバリ音に加えて耳の痛みがある
- 発熱を伴うことがある
- 耳だれ(耳から液が出る)がある場合も
- 難聴が進行することがある
- 医学的な治療が必要
耳管開放症による症状
耳管開放症は、耳管が過度に開いてしまう症状です。
これは風邪とは異なるメカニズムで発生し、体重減少、妊娠、加齢、ストレスが原因になることがあります。
この症状では、バリバリ音だけでなく、自分の声が大きく耳に響く(自声強聴)という特徴的な症状が現れます。
耳管開放症の特徴的な症状
- 自分の声が大きく耳に響く
- 耳が詰まった感じがある
- 呼吸音が耳に伝わる
- 生活習慣の改善で改善することがある
- 体重が急激に減少している場合は特に注意
飛行機搭乗時の航空性中耳炎
飛行機の離着陸時に急激な気圧変化が起こると、航空性中耳炎が発症することがあります。
耳管が気圧変化に対応できず、バリバリという音や強い耳の痛みが数時間~数日続くことがあります。
これは一時的な症状ですが、非常に不快です。
咽頭炎や扁桃炎による放散痛
バリバリ音より痛みが強い場合、咽頭炎や扁桃炎が原因かもしれません。
喉の神経(迷走神経・舌咽神経)が刺激されると、耳に響く痛み(放散痛)が起こることがあります。
この場合、喉の症状がないか確認し、必要に応じて医師の診察を受けることが重要です。
唾を飲むと耳がバリバリする症状が起こる仕組み
耳管の正常な役割と機能
耳管は通常、閉じた状態にあります。
しかし唾を飲み込む、あくびをする、あるいは顎を動かすときに、耳管周囲の筋肉が反応して一時的に開きます。
このとき、空気が中耳に流れ込み、気圧が調整されるのです。
このプロセスが正常に機能することで、私たちは耳の快適さを保つことができています。
耳管機能異常が起こるメカニズム
耳管が炎症で腫れたり、周囲の粘液が増加したりすると、耳管の開き方が悪くなります。
唾を飲み込もうとしても耳管が十分に開かず、不完全な開閉が繰り返されます。
このとき、微妙な気圧変化が起こり、バリバリという音が聞こえるのです。
同時に、耳が詰まった感じ(耳閉感)も生じます。
なぜバリバリという音が聞こえるのか
バリバリという音は、耳管が不完全に開閉するときに、空気が小さな抵抗を受けることで発生します。
また、耳管内に粘液や膿が溜まっている場合は、その液が動くときに音が出ることもあります。
この音は本人にしか聞こえず、他人には聞こえません。
これが自分だけに聞こえるという不安を招くこともあります。
唾を飲むと耳がバリバリする具体的なケース
ケース1:風邪をひいた直後のバリバリ症状
症状の経過
風邪をひいて3日目から、唾を飲むときにバリバリという音がするようになったケースです。
- 発症時期:風邪の症状が出始めてから数日後
- 症状:バリバリ音、耳の詰まり感
- 鼻の状態:鼻づまり、鼻水がある
- その他:くしゃみ、喉の痛み
- 経過:風邪が治るにつれて、耳の症状も自然に改善する
対処方法
このケースでは、鼻うがいや加湿などのセルフケアで対処できます。
十分な水分補給と睡眠を心がけ、風邪を早く治すことが最優先です。
症状が1週間以上続く場合は、耳鼻科への受診をお勧めします。
ケース2:アレルギー性鼻炎による慢性的なバリバリ
症状の特徴
春先や秋口など、特定の季節に毎年バリバリが起こるケースです。
- 発症時期:花粉症やアレルギーの季節
- 症状の続き方:数週間~数ヶ月間続くことがある
- 鼻の状態:鼻づまり、サラサラした鼻水
- その他の症状:くしゃみ、目のかゆみ
- 繰り返しの傾向:毎年同じ時期に再発する
対処方法
アレルギー性鼻炎による耳管機能異常は、点鼻薬や抗アレルギー薬で改善することが多いです。
耳鼻科でアレルギー検査を受けることで、原因特定ができます。
原因を避けることと、医師の指示による薬物療法が効果的です。
ケース3:急性中耳炎による痛みとバリバリ
症状の進行
風邪が治らないまま耳の痛みが出現したケースです。
- 初期症状:バリバリ音、耳の詰まり感
- 進行症状:耳の痛み、発熱
- 重度症状:難聴の進行、耳だれ
- 発症時間:数日で急速に悪化する可能性がある
- 危険サイン:痛みが激しい、高熱が出ている
対処方法
このケースは医学的な治療が必須です。
バリバリ音に痛みが加わったら、できるだけ早く耳鼻科を受診してください。
抗生物質や抗炎症薬の処方が必要になることが多いです。
放置すると鼓膜穿孔のリスクが高まります。
ケース4:飛行機搭乗による一時的なバリバリと耳痛
症状の特徴
飛行機の離着陸時に急速に悪化するケースです。
- 発症時期:飛行機が降下を始めるとき
- 症状:バリバリ音、耳の痛み、聞こえにくさ
- 継続期間:着陸後も数時間~数日続くことがある
- 原因:急激な気圧変化に耳管が対応できない
- 予防可能性:あり
対処方法
飛行機の離着陸時に、ガムを噛んだり、唾を飲み込んだり、あくびをしたりすることで、耳管開放を促すことができます。
耳抜きの技法(バルサルバ法)を事前に学んでおくと、症状を軽減できます。
症状が強い場合は、市販の耳栓や点鼻薬も有効です。
唾を飲むと耳がバリバリするときの対処法
自宅で実践できるセルフケア
鼻うがいの実施
生理食塩水を使った鼻うがいは、耳管周囲の炎症を軽減するのに効果的です。
1日1~2回、朝と夜に実施することをお勧めします。
あくびや唾飲みの意識的な実施
耳管を開く動作を意識的に繰り返すことで、耳管の機能を促進することができます。
意識的にあくびをしたり、頻繁に唾を飲み込んだりすることで、バリバリ症状が改善されることがあります。
加湿の工夫
空気が乾燥していると、耳管周囲の粘膜も乾燥し、機能が低下しやすくなります。
加湿器を使用したり、定期的に湿度の高い環境に身を置いたりすることが有効です。
十分な水分補給
体内の水分が不足していると、粘膜が乾燥しやすくなります。
1日2リットル程度の水分補給を心がけてください。
医師による治療方法
点鼻薬による治療
鼻炎や風邪による耳管の腫れを軽減するために、ステロイド点鼻薬や血管収縮薬を使用します。
症状を早く改善するのに有効です。
抗炎症薬や抗アレルギー薬
内服薬として、抗炎症薬や抗アレルギー薬が処方されることがあります。
これらは耳管周囲の炎症を軽減するのに効果的です。
耳管機能検査と診断
症状が続く場合、耳鼻科では耳管機能検査を実施して、正確な診断を行います。
鼓膜検査や内視鏡検査で、中耳炎などの危険な疾患がないか確認することが重要です。
受診すべき目安と症状
以下の場合は、耳鼻科への受診をお勧めします。
- バリバリ症状が1週間以上続いている
- 耳の痛みを伴っている
- 難聴が進行している
- 発熱を伴っている
- 耳から液が出ている
- 複数回の飛行機搭乗で毎回症状が出る
- 症状の強さが増してきている
唾を飲むと耳がバリバリする症状を予防するには
日常的な予防策
バリバリ症状を防ぐためには、耳管の機能を良好に保つことが大切です。
- 風邪予防:手洗いうがいをしっかり行い、風邪をひかない
- アレルギー対策:原因物質の接触を避け、アレルギー症状を最小限にする
- 加湿:特に冬場は室内を加湿して、粘膜の乾燥を防ぐ
- 水分補給:毎日十分な水を飲む
- ストレス軽減:ストレスが耳管開放症の原因になることがあるので、リラックスを心がける
- 体重管理:急激な体重減少を避ける
飛行機搭乗時の予防
飛行機搭乗時のバリバリ症状を防ぐには、事前の準備が重要です。
- 搭乗の直前に点鼻薬を使用する
- 離着陸時にガムを噛む
- バルサルバ法(鼻と口をふさんで、ゆっくり空気を押し出す)を実施する
- 飛行機が降下を始めたら、すぐに耳抜きを開始する
- 市販の耳栓を使用する
まとめ:唾を飲むと耳がバリバリするのは対処可能な症状です
唾を飲むと耳がバリバリするという症状は、決して珍しいものではなく、多くの人が経験する一般的な症状です。
その原因は、耳管という管の開閉機能が低下することにあります。
風邪や鼻炎による炎症、急性中耳炎、耳管開放症、飛行機による気圧変化など、様々な原因が考えられます。
症状の原因を正確に特定することで、適切な対処ができるようになります。
軽い症状であれば、鼻うがいや加湿などのセルフケアで改善することも多いです。
しかし、痛みを伴う場合、症状が長く続く場合、難聴が進行している場合は、医師の診察が必須です。
大切なのは、症状を放置せず、適切なタイミングで対処することです。
この記事で紹介した予防策を実践することで、バリバリ症状の発生を減らすことができます。
今すぐできる第一歩を踏み出してください
もしあなたが今、唾を飲むと耳がバリバリするという症状で悩んでいるのであれば、今すぐ行動を起こしましょう。
症状が軽い場合は、まず自宅でセルフケアを始めることをお勧めします。
鼻うがいを毎日実施し、加湿に心がけ、十分な水分補給をしてください。
これらの簡単な対策でも、多くの場合は改善が見られます。
もし症状が1週間以上続いたり、痛みを伴ったり、難聴が進行していたりするのであれば、躊躇せずに耳鼻科を受診してください。
医師の診察を受けることで、正確な原因が特定でき、適切な治療を受けられます。
バリバリという音は、あなたの体からのサインかもしれません。
そのサインに耳を傾け、適切に対応することで、快適な日常生活を取り戻すことができるのです。
今日から、あなたも対策を始めてみませんか?
小さな一歩が、大きな改善へとつながるはずです。