地震保険でいくらもらえた?支払額の実例と決まり方【知恵袋】

地震保険でいくらもらえた?支払額の実例と決まり方【知恵袋】

地震で家が被害を受けたとき、実際に地震保険からいくらもらえるのだろう?
そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
地震保険の支払額は、契約内容と被害の程度によって大きく変わります。
過去の大地震では数百万円から数千万円単位の支払い実績があり、しっかり理解していれば、いざという時に心強い味方になります。
この記事では、実際の事例をもとに、地震保険でいくらもらえるのかについて、支払額の決まり方から具体的な数字まで、わかりやすく解説します。

地震保険からもらえる金額は、被害の程度と保険金額で決まります

地震保険からもらえる金額は、被害の程度と保険金額で決まります

地震保険でいくらもらえるかは、被害の程度と契約時の保険金額によって決定されます。
支払額は「保険金額×損害割合」という計算式で算出され、損害割合は被害の程度によって以下のように決められているのです。

  • 全損:保険金額の50%
  • 大半損:保険金額の30%
  • 小半損:保険金額の5%

例えば、建物の保険金額が2,000万円で全損と認定された場合、支払額は1,000万円となります。
ただし、政府再保険制度により支払額には上限があり、建物は最高2,000万円、家財は最高1,000万円となっていますので注意が必要です。

保険金額の上限
建物:2,000万円
家財:1,000万円
世帯全体:5,000万円

過去の大地震ではどのくらいの支払額だったのか

実際の地震での支払実績を見ると、一度の地震で数千億円単位の支払いが行われていることがわかります。
過去の主要な地震での支払状況を確認してみましょう。

東日本大震災(2011年3月)での実績

地震保険の支払額が過去最大となったのは、東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)です。
この震災では、約82万件超の支払件数に対して、総額約1兆2,894億円が支払われました。
1件あたりの平均支払額は約1,560万円となり、多くの被害者が実質的な補償を受けることができました。

熊本地震(2016年4月)での実績

2番目の規模となったのが、熊本地震(2016年4月14日)です。
支払件数は約21万5,600件、総支払額は約390億8,900万円となりました。
1件あたりの平均支払額は約1,814万円で、東日本大震災を上回る高い支払率となっています。

最近の能登半島地震(2024年1月)での実績

記憶に新しい能登半島地震(2024年1月1日)では、最終的に支払総額が約910億円と報告されています。
2024年5月31日時点で、事故受付15万5,000件超中の96.9%の調査が完了しており、迅速な対応が進められています。
石川県が約80億円、富山県が約64億円、新潟県が約52億円となり、地域別でも詳細に集計されているのです。

地震名 発生日 支払件数 支払額(百万円)
東北地方太平洋沖地震 2011年3月11日 826,110件 1,289,404百万円
熊本地震 2016年4月14日 215,642件 390,894百万円
福島県沖地震(令和4年) 2022年3月16日 320,920件 265,427百万円
福島県沖地震(令和3年) 2021年2月13日 245,982件 250,905百万円
大阪府北部地震 2018年6月18日 159,369件 124,831百万円
能登半島地震 2024年1月1日 103,439件 90,971百万円

支払額が決まる仕組みをもっと詳しく理解しましょう

損害認定の3つのカテゴリー

地震保険の支払額を左右する最大の要因は、損害認定の程度です。
保険会社による調査に基づいて、損害がどの程度かを判定されるのです。

全損(支払率50%)

全損と認定されるのは、建物の損害が非常に深刻な場合です。
具体的には、主要構造部(柱や梁など)の損害が大きく、建て替えが必要となるような状態が該当します。
この場合、契約した保険金額の50%が支払われるため、2,000万円の契約なら1,000万円が支払われます。

大半損(支払率30%)

大半損は、建物の主要な部分に相当な損害がある場合です。
屋根や壁が大きく破損し、修理が困難な状態など、生活の継続が難しい程度の被害が対象となります。
この場合は保険金額の30%が支払われます。

小半損(支払率5%)

小半損と認定されるのは、建物にある程度の損害があるものの、修理で対応可能な場合です。
窓やドアの破損、外壁の亀裂など、部分的な被害が該当します。
保険金額の5%という限定的な支払いになりますが、それでも修理費の一部をカバーできます。

保険金額の設定が支払額に与える影響

地震保険にいくら加入するかという判断が、実際の支払額に大きく影響します。
建物は最高2,000万円まで、家財は最高1,000万円まで加入できますが、多くの人は火災保険の30~50%程度の金額に設定しています。

例えば、火災保険で建物に4,000万円を契約していても、地震保険は2,000万円が上限となり、その50%で最大1,000万円の支払いとなるのです。
自分がいくら加入しているかを確認することは、期待できる支払額を把握する上で非常に重要です。

実際のケースに基づく支払額の具体例

ケース1:東日本大震災で全損と認定された福島県の家族

宮城県内の木造住宅に住む家族は、東日本大震災で家が全損と認定されました。
契約していた地震保険の建物保険金額は1,500万円でした。

  • 建物保険金額:1,500万円
  • 損害程度:全損(支払率50%)
  • 支払額:750万円

火災保険の支払いと合わせて、家の再建に向けた資金を確保することができました。
家財保険も500万円加入していたため、家具や家電の買い替えにも充てることができ、生活再建の大きな助けとなったのです。

ケース2:熊本地震で大半損と認定された熊本県の住宅

熊本県益城町の一戸建て住宅が、熊本地震で大半損と認定された例です。
屋根が大きく破損し、壁にも多数の亀裂が入った状態でした。

  • 建物保険金額:2,000万円(上限額加入)
  • 家財保険金額:800万円
  • 損害程度:大半損(支払率30%)
  • 建物支払額:600万円
  • 家財支払額:240万円
  • 合計支払額:840万円

修理費が当初の見積もりで約900万円と高額になる予想でしたが、地震保険の支払いで840万円をカバーでき、最小限の自己負担で修理を進めることができました。

ケース3:能登半島地震で小半損と認定された石川県の木造家屋

2024年1月の能登半島地震では、輪島市周辺で多くの住宅が被災しました。
ある木造家屋では、壁に複数の亀裂が入り、一部の窓が割れるなど、小半損に認定されました。

  • 建物保険金額:1,200万円
  • 損害程度:小半損(支払率5%)
  • 支払額:60万円

修理費の全額をカバーはできませんでしたが、被災直後の生活必需品の購入や応急修理に60万円の支払いは重要な役割を果たしました。
能登半島地震では珠洲市と輪島市の一部では全損地域と指定され、現地調査を省略して迅速に支払いが実行されたため、多くの被災者がスムーズに補償を受けられたのです。

知っておくべき地震保険の現状と加入率

地震保険への関心の高さは、統計データにも表れています。
2024年度の火災保険契約に占める地震保険の付帯率は70.4%と、過去最高を記録しました。
これは前年比で0.7ポイント上昇し、約2,172万件の契約があることを意味しています。

しかし、世帯加入率はまだ35.4%にとどまっており、多くの家庭でまだ地震保険に加入していない状況です。
特に能登半島地震の被災地である石川県の付帯率は66.4%と全国平均を下回っており、地域によってばらつきがあるのです。

重要な注意点
地震保険料は2025年に引き上げが見込まれています。
2024年度の保険金支払いが火災・地震合わせて1,360億円超と記録的だったため、リスク調整が行われる予定です。
今後の契約や更新時には、保険料の変動に注意が必要です。

地震保険の支払いを受けるためのプロセス

被害後の報告と調査

地震の被害を受けたら、まず加入している保険会社に報告することが重要です。
報告すると、保険会社の調査員が現地に訪れて、建物や家財の被害状況を詳しく調査します。

損害認定と支払い

調査結果に基づいて、損害程度が「全損」「大半損」「小半損」のいずれかに認定されます。
この認定が支払額を大きく左右するため、調査の際には被害を正確に説明することが大切です。

支払い実行

損害認定が確定したら、保険会社から指定口座に保険金が振り込まれます。
最近では被災直後の調査を省略して迅速に支払う制度も導入されており、生活再建を急ぎ進めることができるようになっています。

まとめ:地震保険でいくらもらえるかは事前の準備で大きく変わります

地震保険でいくらもらえるかは、契約した保険金額と被害の程度によって決まります
被害程度に応じて保険金額の5%~50%が支払われる仕組みであり、過去の大地震では数百万円から数千万円単位の支払い実績があります。

東日本大震災では平均1,560万円、熊本地震では平均1,814万円、能登半島地震では平均約880万円と、地震によって平均支払額も異なります。
自分がいくら加入しているのか、またいざというとき最大いくら受け取ることができるのかを事前に確認することで、地震への心構えが変わるでしょう。

地震保険は月数千円の保険料で、有事の際に数百万円の補償を受けられる数少ない保険です。
2025年の料率引き上げが見込まれている今だからこそ、加入内容の見直しを検討する時期かもしれません。

今こそ、あなたの地震への備えを確認してみませんか

地震保険でいくらもらえるか、きちんと理解することは、いざというときの心の安心につながります。
火災保険に加入しているなら、今すぐ保険証券を確認して、地震保険の契約内容を見直してみてください。

現在、地震保険に加入していないなら、今からでも決して遅くはありません。
あなたと家族の生活を守るために、今このタイミングで地震保険への加入を検討することをお勧めします。
保険会社や保険代理店に相談すれば、あなたの家の価値と生活状況に合わせた最適なプランを提案してくれるでしょう。

地震はいつやって来るかわかりません。
その時になって「あの時加入しておけば」と後悔しないよう、まずは一歩踏み出してみてください。