
生理痛がひどい、PMSがつらい、避妊目的でピルが欲しい…こういった理由で、産婦人科を訪れることを考えたことはありませんか?
「でもピルだけをもらいたいのに、他の治療も必要なのかな」「診察は何をするんだろう」「オンラインでも大丈夫?」といった疑問を持つ人は多いと思います。
実は、産婦人科でピルだけを処方してもらうことは十分可能で、むしろ一般的な診療になりつつあります。
この記事では、ピルだけをもらう流れ、最新の動き、実際の注意点を詳しく解説していきます。
産婦人科でピルだけをもらうことは可能である

結論から言えば、産婦人科でピルだけを処方してもらうことは完全に可能です。
特に日本では近年、避妊や生理痛・PMS対策の目的でピルを希望する女性が急増しており、「ピルだけ」の処方は珍しくなく、むしろ一般的な診療形態になっています。
実際、都市部の産婦人科やオンライン診療サービスでは、ピル単独の処方が日常的に行われており、他の治療を強制されることはありません。
あなたのニーズに応じて、医師は適切なピルの種類を提案し、必要な説明をした上で処方するという流れが確立しています。
なぜ日本でピルだけをもらうケースが増えているのか
低用量ピルの服用者が急速に増加している
日本のピル服用率は、かつては先進国の中でも異なり低い水準にありました。
しかし、ここ数年で状況は大きく変わっています。
- 日本家族計画協会の2023年調査によると、低用量ピル・LEP(黄体ホルモン剤)の服用者が2016年調査と比べて約4倍に増加したとされています。
- 都市部で働く20代女性を対象とした調査では、31%がピルを服用している一方、30代は12%、40代は3%という結果が出ています。
- 世界全体ではピル服用率が約8%に対し、日本は2.9%とまだ低いものの、若い世代を中心に急速に伸びている段階です。
生理痛やPMS対策としてのニーズが高まった
ピル=避妊という認識は過去のものになりつつあります。
現在、ピルを求める女性の多くは、生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和が目的です。
- ピルは避妊効果だけでなく、生理痛の軽減、生理周期の改善、肌荒れの改善など、多くの健康上のメリットがあります。
- このため、避妊の予定がなくても「健康管理」の一環としてピルを求める女性が増えています。
- 社会的にも、ピル使用が「一般的な女性の健康管理」として認識されるようになりました。
オンライン診療の普及と診療へのアクセス向上
オンライン診療サービスの登場が、「ピルだけをもらう」という選択肢をより手軽にしました。
- 自宅でスマートフォンから診察を受け、ピルを郵送してもらうことが可能になり、来院の手間が大幅に削減されました。
- このため、従来は産婦人科に行く心理的ハードルが高かった人たちも、気軽にピルを処方してもらえるようになった側面があります。
- 特に若い世代や都市部の女性にとって、オンライン診療はアクセスしやすい選択肢として定着しています。
戦後の避妊文化からの転換期
歴史的な背景として、日本は長くコンドーム中心の避妊文化が続いてきました。
低用量ピルが日本で正式に承認されたのは1999年であり、欧米に比べて大きく遅れています。
この間、「ピル=避妊薬」という限定的な認識が強かったのですが、世代交代や国際化に伴い、徐々に認識が変わってきたのです。
また、2025年には黄体ホルモンのみを含む新しいピル「スリンダ錠」が承認・発売されるなど、製品の多様化もピル利用の拡大を後押ししています。
産婦人科でピルだけをもらう具体的な流れと方法
対面診療での流れ
産婦人科でピルだけをもらう場合、一般的な流れは以下の通りです。
1. 初診予約と来院
まず、産婦人科に電話やオンライン予約で初診の予約をします。
「ピルの処方を希望している」と伝えておくと、スムーズに進みます。
2. 問診票の記入
来院後、問診票に以下の項目を記入します。
- 現在の症状(生理痛、PMS、避妊希望など)
- 生理周期や量に関する情報
- 過去の医学的履歴(血栓症、片頭痛、喫煙習慣など)
- 現在服用している薬やサプリメント
- 家族の健康情報
これらの情報により、医師はあなたに適したピルを判断します。
3. 医師との問診・診察
医師が問診票の内容を基に、詳しく話を聞きます。
- 血圧測定(ピル服用には血圧の確認が重要)
- 症状の詳しい内容と期待する効果の確認
- ピルの副作用や注意点の説明
- あなたの体質や既往歴に基づく適性判断
4. 処方と説明
医師が適切なピルを提案し、正しい飲み方と副作用、注意点を詳しく説明します。
- 毎日同じ時間に飲むこと
- 飲み忘れた場合の対応
- 他の薬との相互作用
- いつ避妊効果が始まるか(通常は服用開始7日目)
- 軽度の副作用(吐き気、胸の張り)と重大な副作用の見分け方
5. 処方箋受け取りと薬局での受け取り
処方箋を受け取り、指定の薬局でピルを受け取ります。
初回は1シート(28日分)から、医師の判断で数シート分が処方されることもあります。
オンライン診療での流れ
オンライン診療でピルを処方してもらう流れも、基本的には同じですが、すべてが非対面で完結します。
1. 診療アプリのダウンロード・会員登録
オンライン診療サービス(例:クリニックフォア、DMMオンラインクリニック、カンナビスクリニックなど)のアプリをダウンロードし、会員登録を行います。
2. 問診票の入力
オンラインで問診票に入力します。
対面の場合と同じ内容を詳しく記入することが重要です。
3. ビデオ診察
医師とビデオ通話で診察を受けます。
この時、医師はカメラを通じて体状況を確認し、詳しく説明を受けます。
4. ピルの処方と郵送
診察後、処方箋が発行され、自宅に郵送されるか、指定の薬局で受け取ることができます。
多くのサービスでは、翌日または数日以内にピルが到着するため、急いでいる場合も対応できます。
初診時に確認されやすい重要な事項
医師がピルを処方する前に確認する項目には、以下のような医学的に重要なものがあります。
- 喫煙習慣:特に35歳以上の喫煙者は血栓症リスクが高まるため、ピル処方の判断に影響します。
- 片頭痛(特に前兆あり):エストロゲン含有ピルの使用で脳卒中リスクが増加する可能性があります。
- 血栓症やその家族歴:深刻な血栓症リスクがある場合は、ピル以外の選択肢が推奨されることがあります。
- 肝疾患や高血圧:これらの既往歴がある場合は、特定のピルが避けられることがあります。
これらのチェックは、あなたの安全を守るためのものです。
緊急避妊薬(アフターピル)だけをもらう場合の最新事情
アフターピルとは何か、そしていつまでに飲む必要があるか
緊急避妊薬(アフターピル)は、避妊に失敗した場合に妊娠を防ぐための薬です。
- 性交後のコンドーム破損、避妊しずに性交した場合などに用いられます。
- 最も一般的なアフターピルはレボノルゲストレル(LNG)錠(代表例:ノルレボ)で、性交後72時間以内に服用する必要があります。
- 妊娠阻止率は、臨床試験で81%とされていますが、性交からの時間が短いほど効果が高いとされています。
時間による効果の違い
アフターピルの効果は、性交からの経過時間に大きく左右されます。
- 性交から24時間以内:95%の妊娠阻止率
- 24時間超~48時間:85%の妊娠阻止率
- 49時間後:58%の妊娠阻止率
つまり、できるだけ早く飲むことが極めて重要です。
2026年春:アフターピルが市販化される大変化
これまで、アフターピルは医療用医薬品として、産婦人科での処方が必須でした。
しかし状況が大きく変わろうとしています。
2026年2月2日、第一三共ヘルスケアが日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ®」を発売予定です。
- 医療用と同一成分・同一量(レボノルゲストレル1.5mg錠)
- 薬局での販売が想定されており、要指導医薬品として薬剤師の説明を受けることになります。
- これにより、「夜間に産婦人科が開いていない」「すぐに病院に行けない」といった状況でも、迅速にアフターピルを手に入れることが可能になります。
現在のアフターピル処方の状況
2026年の市販化まで、アフターピルが必要な場合は以下の選択肢があります。
- 対面診療:産婦人科や一部のクリニックで処方を受けることができます。夜間対応の病院も存在します。
- オンライン診療:特に緊急避妊薬については、オンライン診療での処方が広がっており、72時間以内という時間制限に対応する体制が整いつつあります。
- 自治体によって、アフターピル処方の体制が異なるため、事前に確認することが重要です。
ピルを処方してもらう際の実務的な注意点
定期的な通院・処方箋の更新が必要
ピル(特に低用量ピル)は常に医師の管理下で継続される必要があります。
- 初回処方から3ヶ月以内に再診が必要なことが多いです。
- その後、年1回程度の定期的な健康チェック(血圧測定など)が行われます。
- オンライン診療でも、定期的に医師の問診を受ける必要があります。
毎日同じ時間に飲むことが効果を保つコツ
ピルの避妊効果は、毎日の継続的な服用によってのみ保証されます。
- 毎日同じ時間に飲むことで、ホルモン濃度が一定に保たれ、避妊効果が最大限に発揮されます。
- 飲み忘れが続くと避妊効果が低下し、不正出血や生理不順につながります。
- 飲み忘れた場合の対応策(24時間以内なら通常通り飲むなど)を医師から説明されるので、しっかり理解しておくことが大切です。
ピルには性感染症の予防効果がない
重要な認識として、ピルは性感染症(STI)を予防しません。
避妊効果は約99.7%と非常に高いのですが、これはあくまで妊娠防止の効果です。
性感染症対策のためには、必ずコンドームの使用も必要です。
- ピル単独ではなく、ピル+コンドーム併用が理想的な避妊・感染症予防策とされています。
- 複数のパートナーがいる場合や、パートナーの感染状況が不明な場合は、特にコンドーム使用が重要です。
軽度の副作用は数ヶ月で落ち着くことが多い
ピル使用者の中には、初期段階で軽度の副作用を経験する人がいます。
- 軽度の副作用:吐き気、胸の張り、軽い頭痛、気分の変化など
- これらの症状は、多くの場合飲用開始から2~3ヶ月で落ち着くとされています。
- 副作用が強い場合や改善しない場合は、医師に相談してピルの種類を変更することができます。
重大な副作用のサインを知ることが安全
以下のような症状が出た場合は、すぐに医師に相談または受診が必要です。
- 足の腫れ、痛み、温感(血栓症の可能性)
- 胸痛や呼吸困難(肺塞栓症の可能性)
- 突然の激しい頭痛(脳卒中の可能性)
- 視力の急な変化(網膜血栓の可能性)
- 突然のめまいや意識消失
予期せぬ妊娠のリスクと、ピル利用の広がりの背景
日本における予期せぬ妊娠の実態
実は、日本では予期せぬ妊娠のリスクが相当高いことをご存知ですか?
第一三共ヘルスケアの調査によると:
- 日本在住18~49歳の女性のうち、1年以内に性行為経験があるのは約47%
- そのうち、予期せぬ妊娠のリスクを経験した人は約210万人(性行為経験者の約5人に1人)
これは非常に高い数字です。
現在の避妊法の選択が限定的である
日本で最も選択されている避妊法は、依然として男性用コンドームです。
しかし、コンドームの避妊効果は理想的な場合で約98%ですが、実際の使用状況では1年間で100人中2~13人が妊娠するとされています。
つまり、ピル(約99.7%)と比べると、避妊効果に差があるのです。
また、相手任せの避妊方法ではなく、自分で確実にコントロールできる避妊法を求める女性が増えていることも、ピル利用の拡大につながっています。
女性の社会進出と人生設計の変化
近年、女性の社会進出やキャリア重視の傾向が強まっています。
このため、「いま妊娠することは人生計画に合わない」という理由でピルを求める女性が多いという背景があります。
- 学生時代から仕事復帰後まで、人生の様々な段階でピル利用の需要があります。
- 妊娠・出産のタイミングを自分で決定したいというニーズが強くなっています。
まとめ:産婦人科でピルだけをもらうことは当たり前の時代
産婦人科でピルだけを処方してもらうことは、完全に可能であり、むしろ一般的な診療になっています。
日本のピル服用者が4倍に増加し、特に若い世代で利用が広がっている背景には、生活スタイルの多様化、女性の社会進出、そして医療アクセスの向上があります。
対面診療でもオンライン診療でも、以下のポイントを押さえておけば、スムーズにピルを処方してもらえます:
- 初回は問診と基本的な健康チェック(血圧測定など)が必要
- 喫煙、片頭痛、血栓症リスクなどの既往歴を正確に伝える
- 毎日同じ時間に飲むことが効果を最大化する
- ピル+コンドーム併用が理想的(性感染症対策のため)
- 重大な副作用のサインを知っておくことが安全
また、2026年2月のアフターピル市販化は、より多くの女性にとって選択肢を広げるものになるでしょう。
あなたの決断を応援しています
生理痛やPMSで毎月つらい思いをしている、または避妊方法を自分でコントロールしたいと考えている。
そうした思いは、決して珍しいものではなく、いまの時代では当たり前のものです。
「産婦人科に行くのが恥ずかしい」「医師に相談しにくい」と感じる気持ちは誰にでもあります。
しかし、医師たちは毎日こうした相談を受けており、あなたの希望や症状に対して真摯に向き合う体制が整っています。
もし対面診療に抵抗感があれば、オンライン診療という選択肢もあります。
自宅から気軽に相談でき、数日で自宅に届くという利便性は、多くの女性の選択を後押ししています。
あなたが自分の体と人生をコントロールしたいというニーズは、完全に正当なものです。
ぜひ一歩を踏み出して、信頼できる医師に相談してみてください。
あなたの人生が、もっと快適で充実したものになるチャンスが、すぐそこにあります。