
お腹が痛くて下痢が続く、そういった経験は誰にでもあるものですね。
でも、なぜ下痢になるとお腹は痛くなるのでしょうか?
その理由は、腸の異常な動きと、体のストレス反応にあります。
この記事では、下痢の痛みが生じるメカニズムから、原因別の対処法まで、医学的に詳しく解説していきます。
この記事を読めば、下痢の痛みに対する不安がぐっと減り、適切な対処ができるようになるでしょう。
下痢が痛いのは腸の蠕動運動が異常に活発になるため

下痢でお腹が痛くなるのは、消化管の蠕動運動(ぜんどううんどう)が異常に活発になるからです。
腸がギュルギュルと激しく動く様子を、神経が痛みとして感じることで、腹痛につながります。
なぜ蠕動運動が活発になるとお腹が痛くなるのか
蠕動運動のメカニズム
蠕動運動とは、腸の筋肉が収縮して波のように動くことで、食べ物を肛門の方へ押し出す運動のことです。
通常、この運動は穏やかで規則的に行われ、食べ物が腸を通過する際に水分がゆっくり吸収されます。
異常な蠕動運動が痛みを引き起こす理由
しかし下痢の状態では、この蠕動運動が異常に活発になり、激しくなります。
腸が激しく動く際、その動きを腸周辺の神経が痛みとして感知するのです。
これは、筋肉が過剰に収縮するときの痛みと同じメカニズムですね。
さらに厄介なことに、異常に活発な蠕動運動では、食べ物が短時間で腸を通過してしまいます。
その結果、十分な水分吸収が行われず、液状の便が排出されるのです。
つまり、激しい腸の動きと不十分な水分吸収が同時に起こることで、下痢と腹痛が一緒に現れるわけです。
下痢と腹痛が起こる主な原因と仕組み
感染性胃腸炎
下痢と腹痛を同時に引き起こす最も一般的な原因は、ウイルスや細菌による感染です。
これは一般的に「お腹の風邪」とも呼ばれ、突然に症状が現れます。
ウイルス性胃腸炎(ノロウイルスやロタウイルス)や、細菌性腸炎(サルモネラ菌など)に感染すると、腸が炎症を起こします。
この炎症が蠕動運動を異常に活発化させ、同時に腸の水分吸収能力も低下させるため、下痢と腹痛が起こるのです。
ストレスや緊張による過敏性腸症候群
仕事の締切やプレゼン、人間関係の悩みなど、ストレスや緊張も下痢と腹痛の大きな原因となります。
このような心理的ストレスが原因で起こる症状は、過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれています。
ストレスを受けると、自律神経のバランスが乱れます。
特に副交感神経が優位になると、腸の蠕動運動が過剰に促進されてしまうのです。
また、ストレスが腸の神経を過敏にするため、通常の腸の動きでも痛みを感じやすくなります。
食事内容と腸への負担
暴飲暴食や脂っこい食事、香辛料が多い食事も下痢と腹痛を引き起こしやすいです。
これらの食事は、腸に大きな負担をかけるため、蠕動運動を促進してしまいます。
特に高脂肪食は、腸が脂肪を分解・吸収するために激しく蠕動運動を起こします。
この運動が過剰になると、下痢と共に腹痛が現れるのです。
その他の原因
下痢と腹痛の原因は、さらに多くのものがあります:
- 身体の冷え:腸の血流が低下し、蠕動運動が乱れる
- 女性ホルモンの変動:生理周期に伴うホルモン変化が腸の機能に影響
- 薬の副作用:特定の抗生物質や消化器用薬
- 牛乳やアルコール:体質によって腸に刺激を与える
- 不規則な生活リズム:自律神経のバランス乱れ
下痢と腹痛の具体的なケースと対処法
ケース1:ウイルス性胃腸炎による急性下痢
【症状の特徴】
突然の激しい腹痛と下痢が特徴です。
多くの場合、発熱や嘔吐を伴うことがあります。
通常、3日から1週間で自然に回復します。
【対処法】
- まず、安静にすることが最優先です
- 経口補水液やスポーツドリンクでこまめに水分摂取を心がけましょう
- 消化が良い食事(おかゆ、うどん、バナナなど)を少量ずつ摂取する
- 症状が2日以上続く場合や、高熱が出ている場合は医師に相談する
- 冷たい飲み物は避け、常温か温かい飲み物を選ぶ
ウイルス性胃腸炎は、無理に治そうとするより、自然治癒を待つことが基本です。
水分補給だけは忘れずに行いましょう。
ケース2:ストレスによる過敏性腸症候群
【症状の特徴】
仕事が多忙な時期や人間関係の問題がある時に、繰り返し下痢と腹痛が起こるのが特徴です。
症状は時間とともに変わり、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。
【対処法】
- ストレス管理が最重要:瞑想、ヨガ、散歩などでリラックスする
- 十分な睡眠を確保し、自律神経を整える
- 乳酸菌飲料やヨーグルトなど、腸内環境を改善する食事を心がける
- 定期的な運動習慣をつける
- 症状が3ヶ月以上続く場合は、医師に相談し、必要に応じて薬物療法を検討する
過敏性腸症候群は、心と腸が深く関連しているため、心身のリラックスが重要です。
長期的には、ストレスの根本原因に向き合うことが最も効果的です。
ケース3:食事による急性下痢
【症状の特徴】
脂っこい食事をした後、数時間以内に下痢と腹痛が起こります。
通常、数時間から1日で症状は落ち着きます。
【対処法】
- 原因となった食べ物を避ける
- 消化の良い食事に切り替える
- 水分補給を心がける
- 腸を刺激する香辛料やカフェインを避ける
- 身体を温める(温かい飲み物を摂取するなど)
- 症状が改善されたら、徐々に通常の食事に戻す
食事が原因の場合、原因食を避けることが最も効果的な対策となります。
自分の身体がどんな食べ物に反応しやすいか、よく観察することが大切ですね。
下痢と腹痛が続く場合の注意点
医師の診察が必要な症状
下痢と腹痛は多くの場合、自然に治まりますが、以下のような場合は医療機関への受診をお勧めします:
- 下痢と腹痛が2週間以上続く慢性的な下痢
- 激しい腹痛を伴っている
- 血便が出ている
- 高熱(38℃以上)が続いている
- 脱水症状がある(めまい、疲労感が強い)
- 体重が急激に減少している
- その他、下痢以外に気になる症状がある
慢性的な下痢の場合
症状が2週間以上続く場合、単なる一時的な下痢ではなく、別の病気が隠れている可能性があります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、感染症、食物不耐症など、様々な原因が考えられるため、必ず医師の診察を受けてください。
下痢と腹痛を予防するための日常的な対策
食事面での予防
毎日の食事に気をつけることで、下痢と腹痛の予防ができます。
- バランスの良い食事を心がける
- 脂っこい食事や刺激物を避ける
- 食物繊維を適度に摂取する
- 発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチなど)で腸内環境を整える
- 充分に噛んで、ゆっくり食事する
- 不潔な食べ物は避け、食中毒を予防する
生活習慣での予防
ストレスと睡眠は、腸の健康に大きく影響します。
- 毎晩、同じ時間に就寝して、十分な睡眠を確保する
- 朝食を必ず摂取し、腸の活動リズムを整える
- 定期的な運動習慣をつける
- 瞑想や深呼吸などでストレスを管理する
- 身体を冷やさない工夫をする
- 水分を定期的に摂取する
下痢でお腹が痛いのは、体からの大切なシグナル
ここまで見てきたように、下痢でお腹が痛くなるのは、腸の蠕動運動が異常に活発になることが主な原因です。
その背景には、感染症、ストレス、食事の問題、あるいは生活習慣の乱れなど、様々な要因があります。
大切なのは、下痢と腹痛を単なる厄介事と捉えるのではなく、体が何か異常を知らせてくれるシグナルと考えることです。
症状が現れたときは、まずはしっかり水分補給をして安静にすることが基本です。
そして、その原因が何かを考え、根本的な対策を講じることが大切ですね。
多くの場合、下痢と腹痛は数日で自然に治まります。
しかし、症状が長く続く場合や、強い痛みがある場合は、躊躇なく医療機関に相談してください。
医師の診察を受けることで、より正確な診断と適切な治療が可能になります。
まとめ:下痢の痛みへの向き合い方
下痢でお腹が痛くなるのは、腸の蠕動運動が異常に活発になることが原因です。
その背景には、感染症、ストレス、食事、生活習慣など、多くの要因があり、それぞれに異なる対処法があります。
大切なのは、症状が現れたときに慌てず、まずは安静にして水分補給をすることです。
そして、原因を特定し、根本的な改善策に取り組むことで、下痢と腹痛のない快適な毎日を取り戻すことができます。
症状が続く場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。