
確定申告を提出した後で「もしかして間違っていたかも?」と不安になったことはありませんか?
実は、確定申告の間違いに気づかないまま放置してしまうケースは意外に多く、還付金を受け取れない損失や、最悪の場合は追徴課税というリスクを抱えることになります。
特に医療費控除の適用漏れや所得の記入ミスなど、一見分かりにくい間違いほど見逃しやすく、後から気づいた時には手続きが複雑になってしまうことも少なくありません。
この記事では、確定申告でよく発生する間違いのパターンから、気づいた後の対処法、そして事前に防ぐためのポイントまで、あなたの大切な税務手続きを守るための実践的な知識をお伝えします。
確定申告の間違いに気づかない最大のリスク

確定申告の間違いに気づかないことで発生する最大のリスクは、本来受け取れる還付金を逃すか、または追徴課税を受ける可能性があることです。
国税庁のデータによると、申告ミス全体の約30%が控除漏れによるもので、これらの多くは申告者自身が気づかないまま処理されています。
特に以下の2つのパターンが深刻な問題となります。
- 還付金を受け取れない損失:医療費控除や基礎控除の計算ミスにより、本来戻ってくるべき税金を受け取れない
- 追徴課税のリスク:所得の記入漏れや年末調整との重複申告により、無申告加算税(15~20%)や延滞税が発生する可能性
2026年(令和8年)の確定申告期間は2月16日(月)~3月16日(月)ですが、期限を過ぎてから間違いに気づいた場合、修正手続きが複雑になり、ペナルティも重くなってしまいます。
なぜ確定申告の間違いに気づかないのか?
申告書の複雑さによる見落とし
確定申告書は項目が多く、専門用語も頻繁に使用されているため、一般の納税者には理解が困難な部分が多数存在します。
特に以下のような項目で間違いが発生しやすくなっています。
- 所得金額調整控除申告書の未提出による基礎控除の減額
- 年末調整済みの給与所得者による医療費控除の申告忘れ
- ふるさと納税のワンストップ特例制度と確定申告の併用ミス
これらの項目は申告書上で分かりやすく説明されていないため、多くの人が気づかないまま間違った申告をしてしまいます。
基礎控除の制度変更への対応不足
令和7年分の確定申告から、基礎控除が合計所得132万円以下なら最大95万円に引き上げられました。
しかし、この制度変更を知らない納税者が多く、以下のような問題が発生しています。
- 年金受給者は12月の精算で対応されるが、11月末までの準確定申告時は改正前基準で計算してしまう
- 所得2,400万円超の高所得者による基礎控除段階減額の無視
- 還付請求期限(令和7年12月1日~令和12年12月2日)の認識不足
制度変更の情報が十分に浸透していないため、多くの納税者が旧制度のまま申告してしまい、本来受けられる控除を逃している状況です。
年末調整との関係性の誤解
会社員の多くは年末調整を受けているため、「確定申告は不要」と考えがちですが、実際には年末調整済みでも確定申告が必要なケースが数多く存在します。
以下のような場合は、年末調整を受けていても確定申告が必要です。
- 医療費控除を受ける場合
- 副業収入が年間20万円を超える場合
- ふるさと納税でワンストップ特例の期限(翌年1月10日必着)を過ぎた場合
- 住宅ローン控除の初年度申告
これらのケースを見逃すことで、本来受けられる還付金を逃したり、申告義務を果たさないことによる無申告加算税のリスクを抱えてしまうことになります。
確定申告で気づかない間違いの具体例
具体例1:医療費控除の適用漏れ
年間医療費が12万円かかったAさんの事例
会社員のAさんは年末調整を受けていたため、確定申告は不要だと思い込んでいました。
しかし、年間の医療費が12万円(10万円を超える部分が2万円)発生しており、医療費控除を申告すれば約4,000円の還付金を受け取ることができました。
このケースの問題点:
- 年末調整済み=確定申告不要という誤解
- 医療費控除の基準額(年間10万円超)の認識不足
- 還付申告は2月13日以前でも可能という情報の未認識
対処法としては、e-Tax作成コーナー(1月5日公開)やマイナポータルを活用することで、簡単に医療費控除の申告ができ、還付金を受け取ることが可能です。
具体例2:ふるさと納税の重複控除申請
ワンストップ特例と確定申告を両方行ったBさんの事例
会社員のBさんは、ふるさと納税で年間5万円を寄付し、ワンストップ特例制度を利用していました。
その後、医療費控除のために確定申告を行う際に、ふるさと納税分も重複して申告してしまい、本来より多くの控除を受けることになってしまいました。
このケースの問題点:
- ワンストップ特例制度利用時は確定申告でふるさと納税を申告してはいけないという認識不足
- 確定申告を行う場合はワンストップ特例が無効になることの理解不足
- 2月16日~3月16日の申告期間での手続きの混乱
このような重複申請は後に税務署から指摘を受け、修正申告と場合によっては追徴課税の対象となる可能性があります。
具体例3:基礎控除額の計算ミス
合計所得130万円のパート主婦Cさんの事例
パートで働くCさんは、合計所得が130万円でしたが、確定申告時に旧制度の基礎控除額で計算してしまいました。
令和7年分からは合計所得132万円以下なら最大95万円の基礎控除を受けられるため、本来なら約2万円の還付金を受け取ることができました。
このケースの問題点:
- 基礎控除拡大(10~47万円UP)の制度変更への対応不足
- 所得金額調整控除申告書の提出忘れによる減額
- 還付請求期限(5年以内)の認識不足
このような制度変更への対応不足は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを活用することで自動計算され、防ぐことが可能です。
具体例4:副業収入の申告漏れ
フリーランス収入を忘れていたDさんの事例
会社員のDさんは、副業でライターをしており年間25万円の収入がありましたが、確定申告で申告することを忘れていました。
副業収入が年間20万円を超える場合は申告義務があるため、無申告加算税15%(悪質な場合は20%)と延滞税(年2.6%~)の対象となってしまいました。
このケースの問題点:
- 副業収入20万円超の申告義務への認識不足
- 所得の記入漏れによる過少申告の発生
- 期限超過による追加ペナルティの発生
このような申告漏れは、後から税務署の調査で発覚することが多く、数万円の申告漏れが数十万円の追徴課税に発展する可能性があります。
確定申告の間違いに気づいた後の対処法まとめ
確定申告で間違いに気づいた場合の対処法は、発覚したタイミングによって手続きが異なります。
以下の3つのパターンに分けて、適切な対応方法をまとめました。
申告期限内に気づいた場合
令和8年3月16日までに間違いに気づいた場合は、比較的簡単に修正することができます。
- e-Tax作成コーナーでの訂正:オンラインで簡単に修正申告が可能
- マイナポータル連携:マイナンバーカード対応でiPhone申告も利用可能
- 窓口での修正:税務署窓口(17時まで)での直接修正
- 郵送での修正:消印有効で修正申告書を郵送
期限内であればペナルティは発生せず、正しい税額での処理が受けられます。
申告期限後に気づいた場合
3月16日を過ぎてから間違いに気づいた場合は、修正申告の手続きが必要になります。
- 過少申告の場合:5年以内(令和7年分は令和8年1月1日~令和12年12月31日)に修正申告を行うことでペナルティを軽減
- 過大申告の場合:更正の請求により還付金を受け取ることが可能
- 無申告の場合:無申告加算税15%(悪質な場合20%)と延滞税が発生
期限後の修正でも、自主的に行うことでペナルティが軽減される場合があります。
2026年以降の特記事項と注意点
令和8年度税制改正大綱により、さらなる制度変更が予定されています。
- 基礎控除のさらなる拡大:令和8年度からさらなる基準拡大が予定
- iPhone対応の拡大:マイナンバーカード対応でより多くの申告が可能に
- 申告特集サイトの充実:国税庁による事前準備サポートの強化
最新の制度変更情報については、国税庁の公式サイトや申告特集サイトで定期的に確認することが重要です。
専門家への相談タイミング
以下のような場合は、税理士などの専門家への相談を検討することをお勧めします。
- 修正申告の内容が複雑で自分では判断できない場合
- 追徴課税額が高額になる可能性がある場合
- 事業所得など複雑な所得計算が必要な場合
- 過去数年にわたって間違いが発覚した場合
専門家のサポートを受けることで、適切な修正手続きを行い、ペナルティを最小限に抑えることができます。
確定申告の間違いは誰にでも起こりうることですが、適切な対処を行うことで大きな損失を避けることができます。
早めの発見と迅速な対応が、あなたの大切な資産を守る鍵となるのです。
不安を感じたら一人で悩まず、国税庁の相談窓口や税務の専門家に相談することで、安心して税務手続きを進めることができるでしょう。
今すぐ過去の申告内容を見直して、気になる点があれば早めに対処することをお勧めします。