
耳の中に押すと痛いできものができてしまい、気になっていませんか?
このような症状は日常生活でも意外と経験する人が多く、イヤホンやマスク、髪の毛などの物理的刺激が原因となることもあります。
ただし、ニキビのような軽症のものから外耳炎や粉瘤など医師の診察が必要な場合まで、原因は様々です。
この記事では、耳の中に押すと痛いできものの主な原因と対処法を詳しく解説し、いつ医師の診察を受けるべきかの判断基準もお伝えします。
あなたの症状がどのような病状なのか、そして今すぐ対応すべきなのかが分かるようになります。
耳の中に押すと痛いできもの…多くの場合は医師の診察で判明します
耳の中に押すと痛いできものは、自分で原因を特定することは難しく、医師の診察を受けることが最も確実な解決方法です。
ニキビや軽い炎症であれば自然に治ることもありますが、粉瘤や外耳炎のように進行すると日常生活に支障をきたす病気もあるからです。
症状が強い、長く続く、または大きくなってきた場合は、躊躇なく耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
なぜ耳の中にできものができるのか?代表的な5つの原因
原因1:耳のニキビ(吹き出物)
耳の中や入口付近にできるニキビは、毛穴に皮脂がつまって炎症を起こしたものです。
耳の中は皮脂腺が多く、通気性が悪い環境にあります。
- イヤホンやヘッドホンの長時間使用による刺激
- マスク装着による蒸れと摩擦
- 髪の毛による圧迫や刺激
- ホルモンバランスの乱れによる皮脂分泌の増加
これらの要因が重なることで、耳の毛穴が詰まりやすくなります。
触ったときに「コリッとしたしこり」「腫れている感じ」を感じるのはこのためです。
耳のニキビの特徴
進行が比較的遅く、数日で自然に引くことが多いのが特徴です。
ただし、繰り返し刺激を受けると炎症が悪化し、膿が溜まることもあります。
原因2:粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、中に角質や皮脂が溜まった良性腫瘤です。
耳たぶ、耳の付け根、耳の内側などにできやすいとされています。
粉瘤の症状の進行パターン
- 初期段階:小さなコリッとしたしこり程度で、痛みはありません
- 炎症発生時:急に赤く腫れて痛みが強くなります
- 化膿時:膿が溜まり、ズキズキとした痛みを感じます
粉瘤ができる原因には、イヤホンやマスク、メガネなどによる物理的刺激が関係しています。
重要なのは、炎症を繰り返すと耳介軟骨膜炎など重い合併症につながる可能性があるという点です。
そのため、自分で触ってつぶそうとするのは絶対に避けるべきです。
原因3:外耳道炎(外耳炎)
外耳道炎は、耳の穴から鼓膜までの部分(外耳道)に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。
耳かきで強くこすったり、水が耳に入ったりすることで、外耳道の皮膚に傷ができ、そこから細菌が侵入します。
外耳道炎の典型的な症状
- 押したり耳たぶを引っ張ったりするだけで強く痛む
- 耳が腫れて狭くなり、聞こえが悪くなることもある
- 耳だれ(膿や液体が出る)
- 耳全体にズキズキとした痛みが広がる
外耳炎は、耳の中の小さなできものが炎症を起こしたことがきっかけになることもあります。
また、逆に外耳炎が先にあって、その炎症でできものができる場合もあります。
どちらにせよ、医師の診察なしに自分で判断して耳かきなどで刺激を加えるのは危険です。
原因4:肉芽(にくげ)
肉芽とは、外傷や炎症で皮膚が傷つき、それを修復する過程でできる組織が盛り上がったものです。
赤く柔らかいできもので、じくじくした滲出液を伴うことがあります。
肉芽ができる原因には以下のようなものがあります。
- ピアスの穴を開けた後の修復過程での組織増殖
- 耳の手術後の組織修復
- 慢性中耳炎に伴う耳だれによる皮膚損傷
原因5:その他の可能性
耳の「中」と表現していても、実際には耳の後ろや付け根にできものを触っている場合があります。
この場合、以下のような病気が隠れていることがあります。
リンパ節炎
耳の下や後ろのリンパ節がウイルスや細菌感染で腫れ、押すと痛いしこりとして触れることがあります。
風邪やのどの痛みに伴って起こることが多いです。
乳様突起炎
これは中耳炎の合併症として起こる重い病気です。
耳の後ろの骨(乳様突起)が細菌感染で炎症を起こし、以下のような症状を伴います。
- ズキズキする強い痛み
- 耳の後ろの腫れと発赤
- 発熱
- 耳介が前に押し出される感じ
乳様突起炎は、適切な治療がないと髄膜炎など命に関わる合併症につながる可能性があるため、症状があれば直ちに医師の診察が必要です。
具体例を通じて理解する5つの実際のケース
ケース1:イヤホン愛用者のニキビ事例
症状:毎日8時間以上イヤホンをつけている20代の会社員が、耳の入口付近に小さな痛みを感じるようになりました。
触ると米粒大のコリッとしたしこりがあります。
原因と対処:これは典型的な耳のニキビです。
イヤホンによる圧迫とそれに伴う蒸れが、毛穴詰まりを引き起こしています。
イヤホンの使用を控え、毎日丁寧に洗浄することで、1週間程度で症状が引きました。
学べる点:毎日の物理的刺激が蓄積することでニキビが発生することがあります。
定期的に刺激の元になっているものを見直すことが予防につながります。
ケース2:粉瘤が炎症した事例
症状:3ヶ月前から耳の後ろに小さなしこりがありました。
痛みもなく放置していたのですが、ある日突然赤く腫れて強い痛みが出ました。
原因と対処:これは粉瘤が炎症を起こしたケースです。
耳鼻咽喉科を受診したところ、内部に溜まった皮脂を除去する治療を受けました。
放置していた期間に、肌の新陳代謝によって内部に老廃物が蓄積し、やがて炎症が起きたと考えられます。
学べる点:小さなしこりでも、時間とともに大きくなる可能性があります。
早めの医師の診察が、大事になる前の適切な治療につながります。
ケース3:外耳炎に発展した事例
症状:耳の中に小さなできものがあり、気になって耳かきで何度もこすってしまいました。
数日後、耳全体が痛み、耳たぶを少し触るだけでもズキッと響くようになりました。
同時に耳だれが出始めました。
原因と対処:耳かきによる刺激で、初めの小さなできものが外耳道炎に進行したケースです。
耳鼻咽喉科での診察の結果、抗生物質の点耳薬を処方されました。
同時に、今後は耳かきを使わず、耳が痒くても触らないよう指導を受けました。
学べる点:耳の中のできものを自分でいじることが、症状を悪化させる最大の要因になり得るということです。
気になっても我慢することが、実は最善の対処法なのです。
ケース4:マスク生活による肉芽の形成
症状:マスクを毎日つけるようになってから3ヶ月で、耳の後ろに赤いできものができました。
じくじくした液体が少し出ていて、やや痛みがあります。
原因と対処:マスクのゴム紐による継続的な摩擦と蒸れが、耳の皮膚を傷つけてしまい、肉芽が形成されるに至ったケースです。
皮膚科を受診すると、マスクの圧迫を減らすための工夫(ゴム紐を耳の後ろではなく頭の後ろに回す、緩めるなど)を指導されました。
同時に軟膏を処方され、肌を清潔に保つことで改善しました。
学べる点:新しい生活様式による長時間の刺激も、皮膚のできものの原因になります。
予防には、刺激を最小化する工夫が大切です。
ケース5:リンパ節腫脹と誤認したケース
症状:風邪をひいた1週間後から、耳の下に大豆大のしこりができて痛みました。
患者さんは「耳の中にできもの」と表現しましたが、実際には耳の下のリンパ節が腫れていました。
原因と対処:風邪ウイルスの感染に伴うリンパ節炎です。
医師の診察を受けると、風邪が治るにつれてリンパ節の腫れも自然に引きました。
特別な治療は不要でしたが、症状が強い場合は一時的に抗炎症薬が処方されることもあります。
学べる点:耳の「中」ではなく、耳の周りのできものが原因のこともあります。
医師の正確な診察があれば、不要な心配を避けられます。
危険なサインと医師の診察が必要な場合
次のような症状がある場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。
症状に関する危険サイン
- 触ると痛い、押すと強く響く
- 赤み、熱感、腫れがある
- 発熱や頭痛、全身のだるさを伴う
- どんどん大きくなる、いつまでも治らない
- 耳だれ、聞こえにくさ(難聴)、耳鳴りを伴う
- 耳の後ろの骨が腫れて耳介が前に押し出される感じがある
特に発熱と強い痛みを伴う場合は、乳様突起炎などの重い病気の可能性があります。
この場合、症状が出てから数時間以内の受診が望ましいです。
受診の時間的な目安
即日または翌日の受診:発熱、強い痛み、耳だれがある場合
3日以内の受診:痛みが強い、または3~4日以上続いている場合
1週間以内の受診:軽い痛みだが大きくなってくる、違和感が続く場合
自宅でできる正しい対処法と注意点
してはいけないこと
- 耳かきや綿棒で何度もいじる:外耳道炎や炎症悪化の原因になります
- できものを自分でつぶす、針で刺す:細菌感染や大きな腫れ、瘢痕につながります
- 無理に膿を出そうとする:さらに深い感染を招きます
- 熱いお湯で何度も洗う:刺激で炎症が悪化します
してもよいこと
- 触らないようにする:これが最も重要です
- 軽く温める:血行を促進して自己治癒力を高めるのに有効です
- 清潔に保つ:毎日のシャワーで優しく洗います
- イヤホンやマスク、眼鏡の使用を控える:物理的刺激を避けることが重要です
重要:自分で判断せず、症状が続く場合は医師に相談することが最善です。
症状が何日続いているか、赤みや発熱があるかなどを医師に伝えることで、より正確な診断が可能になります。
まとめ:耳の中に押すと痛いできものは、原因判明と適切な対処が鍵
耳の中に押すと痛いできものができた場合、その原因はニキビから外耳炎、粉瘤、肉芽、リンパ節炎など多岐にわたります。
自分で判断するのは難しく、症状によっては重い病気が隠れていることもあります。
重要なポイントを整理すると以下の通りです。
- 軽い症状でも数日続く場合は医師の診察が必要
- 発熱や強い痛みを伴う場合は早急な受診が重要
- 自分でいじることが症状を悪化させる最大の要因
- 原因が判明すれば、適切な治療で比較的短期に治る
多くの場合、医師の診察を受けることで、原因が明確になり、最適な治療法が決まります。
それにより、不安な日々から解放され、快適な耳の状態を取り戻すことができるのです。
背中を押す:今すぐできることから始めましょう
耳の中に押すと痛いできものができているあなたへ。
それは、あなたの身体が何らかのサインを送っている状態です。
もしかして、「放っておけば治るだろう」と思っていませんか?
実は、医師の診察なしに様子を見るのは、リスクが高い選択肢かもしれません。
粉瘤は放置すると炎症が繰り返される可能性があり、外耳炎は自然には治りにくいからです。
今あなたが感じている不安や違和感は、医師の診察を受けることで、すぐに解決する可能性が高いのです。
診察を受ければ、原因が分かり、適切な治療が始まり、数日から数週間で症状は改善します。
その後は、あの不安は何だったのだろうと思うほど、毎日を快適に過ごせるようになります。
迷っているあなたへ、できれば症状を感じてから3日以内に耳鼻咽喉科を訪ねてください。
今このとき、あなたが一歩踏み出すことで、明日からの生活がもっと快適になるはずです。
症状が軽いからこそ、今の段階での受診をお勧めします。