
新しく車を購入したり譲り受けたりしたあとに、やることがたくさんあってついつい後回しにしてしまった名義変更。
ふと気づいたら「あ、15日を超えちゃった!」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実は、名義変更が15日を過ぎても手続き自体は可能ですが、法律上は違反状態になる可能性があります。
この記事では、車の名義変更が15日を過ぎてしまった場合のリスク、やるべき対応、必要書類をわかりやすく解説します。
不安な気持ちもわかりますが、正しく対処すれば問題を解決できますので、ぜひ参考にしてくださいね。
車の名義変更が15日過ぎても手続きは可能だが、法的リスクと実害が発生する可能性がある

まず最初にお伝えしたい重要なポイントは、15日を過ぎても名義変更の手続き自体は受け付けてもらえるということです。
しかし、法律上は違反状態になっており、50万円以下の罰金に処せられる可能性があるほか、実生活における様々なトラブルが発生する可能性があります。
つまり、「手続きができなくなる」わけではなく、「すべきだった期限を過ぎてしまった」という状態です。
だからこそ、気づいた時点でできるだけ早く対処することが重要なのです。
なぜ15日以内の名義変更が義務付けられているのか
法律で定められた義務期間
車の名義変更(正式名称は「移転登録」)や氏名・住所変更(「変更登録」)は、道路運送車両法で定められた重要な手続きです。
この法律により、所有者が変わった日(または氏名・住所に変更があった日)から15日以内に申請することが義務付けられています。
15日を過ぎた場合の法的ペナルティ
この期間内に手続きを完了しなかった場合、道路運送車両法違反となり、50万円以下の罰金に処せられる可能性があるとされています。
ただし、実際には悪質な故意による長期放置など、違反の程度によって対応が異なる傾向があるとも言われています。
とはいえ、法的には違反状態であることに変わりはありません。
なぜこのような期間制限が必要なのか
政府や管理機関が15日という期限を設けている理由は、車の所有者を常に正確に把握し、管理できる状態にしておく必要があるからです。
万が一、車が関係する事故や法律違反が発生した際に、すぐに所有者の情報に辿り着けるように、登録情報を最新の状態に保つ必要があるのです。
また、自動車税などの重要な税務手続きも、正確な所有者情報に基づいて進められます。
車の名義変更が15日を過ぎた場合に生じる具体的なリスク
罰金のリスク
最も重大なリスクとしては、50万円以下の罰金に処せられる可能性があることが挙げられます。
ただし、すべてのケースで即座に罰金が科されるわけではなく、違反の悪質さや期間の長さなどが総合的に判断されるとも言われています。
とはいえ、「罰金になるかもしれない」という不安定な状態は避けるべきです。
旧所有者への通知が届く問題
自動車税、交通違反通知、リコール通知などが旧所有者の住所に届くようになります。
新しい所有者が実際に運転しているのに、旧所有者のもとに通知が届くことで、以下のようなトラブルが発生します。
- 旧所有者が交通違反通知を受け取り、混乱する
- 旧所有者が自動車税の支払い通知を受け取り、対応に困る
- リコール対象の車であった場合、対応が遅れる可能性がある
- 旧所有者と新所有者の間でトラブルに発展する場合もある
自動車税の納税通知の問題
特に自動車税(種別割)の納税通知が旧所有者に届きやすくなるという問題があります。
新しい所有者は納税義務者ではないにもかかわらず、旧所有者が納税通知を受け取ることで、誰が支払うべきなのか、責任の所在が曖昧になってしまいます。
保険関係のトラブルのリスク
自賠責保険や任意保険の名義が旧所有者のままになっていたり、記名被保険者が一致していなかったりすると、万が一の事故時に保険金の支払いで問題が生じる可能性があるとされています。
保険会社は契約内容と実際の所有者・運転者が一致しているかを確認するため、トラブルになるケースがあります。
将来の売却や廃車時の手続きの困難性
数年後に車を売却したり廃車にしたりしようとした時に、名義が古いままだと手続きがスムーズに進まないことになります。
特に個人売買の場合、相手方が「名義がまだ旧所有者のままなの?」と疑問を持つかもしれません。
また、廃車手続きにおいても、現在の所有者である旧所有者からの書類が必要になるなど、余分な手続きが増える可能性があります。
15日を過ぎた名義変更でよくある問題シーン
具体例1:旧所有者に交通違反通知が届いたケース
状況:A氏が中古車を個人売買で購入し、名義変更を20日かけてようやく完了させました。
その1ヶ月後、A氏の運転中に速度超過で交通違反をしてしまいました。
ところが、交通違反通知は新しい所有者であるA氏のもとではなく、旧所有者のB氏のもとに届いてしまったのです。
何が起きたか:登録がまだ完全に更新されていなかったシステム上で、旧所有者の情報が優先されて通知が送られてしまいました。
B氏は「自分は既に売却したのに、なぜ通知が届くのか?」と困惑し、A氏に連絡したことでトラブルになりました。
A氏は自分が受け取るべき通知をB氏から知らされることになり、信頼関係が損なわれてしまいました。
教訓:このトラブルは、名義変更を早期に完了させていれば完全に防ぐことができました。
各種通知が正しい所有者のもとに届くことで、双方のトラブルを回避できるのです。
具体例2:自動車税の支払いで揉めたケース
状況:C氏が親から車を譲り受けましたが、仕事が忙しく名義変更を1ヶ月先延ばしにしていました。
その間、自動車税の納税通知が親のもとに届きました。
何が起きたか:親は「譲ったのに、なぜ自分に支払い義務がある通知が来るのか?」と戸惑いました。
一方、C氏は「自分が実際に使っているのに、なぜ親の名義になっているのか」と、親子間でお金の話になり、モヤモヤが残りました。
最終的には親が一度支払い、後からC氏が返金するという手続きになり、とても面倒なことになってしまいました。
教訓:家族間であっても、名義変更を速やかに完了させておくことで、誰が税金を支払うべきか明確になるのです。
15日以内という期限は、こうした金銭的トラブルを防ぐためのものなのです。
具体例3:事故時の保険トラブル
状況:D氏が中古車を購入してから30日経ってようやく名義変更の手続きを始めました。
その直後に、運転中に他者の車と軽い接触事故を起こしてしまいました。
幸い、D氏は保険に加入していたのですが、保険の名義が旧所有者のままでした。
何が起きたか:保険会社から「記名被保険者が現在の車の所有者と異なっているため、保険金の支払いに問題がある可能性がある」と指摘されました。
保険契約では、契約者と記名被保険者(主な運転者)が明確に設定されている必要があります。
旧所有者が契約者で、D氏が実際の所有者という矛盾した状態では、保険会社も支払いの判断に時間がかかってしまいました。
教訓:保険の問題は、事故という最も問題が生じやすいタイミングで顕在化するという特徴があります。
名義変更と同時に、保険の契約者・記名被保険者の変更も完了させておく必要があるのです。
15日を過ぎてしまった場合にやるべき対処法
最優先:できるだけ早く名義変更手続きに行く
15日を過ぎてしまったことに気づいたら、迷わずできるだけ早く手続きに行くことが最優先です。
時間が経てば経つほど、法的問題や実害が大きくなる可能性があります。
「もう遅いのでは」と諦めず、「今からでも大丈夫」という気持ちで対処することが大切です。
手続き場所の確認
名義変更の手続き場所は車の種類によって異なります:
- 普通車の場合:管轄の運輸支局または陸運局
- 軽自動車の場合:軽自動車検査協会
「○○ 運輸支局 名義変更」などと検索すれば、管轄する施設の所在地と営業時間が出てきます。
事前に電話で「何日前に譲渡された車の名義変更をしたいのですが」と相談するのも良い方法です。
スタッフが丁寧に対応してくれますし、必要な書類をあらかじめ確認できます。
必要書類の準備(普通車の例)
手続きをスムーズに進めるために、以下の書類をあらかじめ揃えておきましょう:
- 現在の車検証
- 譲渡証明書(旧所有者が署名・捺印したもの)
- 旧所有者の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
- 新所有者の印鑑(実印が必要な場合がある)
- 委任状(代理人が手続きに行く場合)
- 自動車税申告書
- 新所有者の住所を証明する書類(必要な場合)
軽自動車の場合は、必要書類が異なる場合があるので、事前に軽自動車検査協会に確認することをお勧めします。
手続きの実施
書類が揃えば、手続き自体はほぼ即日で完了し、新しい車検証が交付されるのが一般的です。
15日を過ぎているという事情を説明する必要はありますが、多くの場合、運輸支局のスタッフは慣れた対応をしてくれます。
申請から交付までの時間は通常30分~1時間程度です。
併せてやるべき手続き
名義変更と同じタイミングで、以下の手続きも完了させておくことが望ましいです:
- 自賠責保険の変更:保険会社に連絡して、契約者と記名被保険者を変更する
- 任意保険の変更:同様に、保険契約情報を更新する
- 自動車税の手続き:必要に応じて、新しい所有者への変更手続きを確認する
これらの手続きは、実際に完了してから時間がかかることもあるため、並行して進めることをお勧めします。
どの程度期間が過ぎると問題が大きくなるか
16日~30日:まだ対処できる時期
15日を少し超えた程度なら、すぐに対処すれば大きな問題に発展する可能性は低いとも言われています。
この段階で気づいて手続きに行けば、各種通知のトラブルなども最小限に抑えられます。
「気づいた時点で対処する」という姿勢が最も大切です。
1ヶ月~3ヶ月:注意が必要な時期
1ヶ月を超えるあたりから、自動車税の通知や交通違反通知が旧所有者に届き始める時期になります。
ここまで期間が経つと、旧所有者から連絡が来るなど、問題が顕在化する可能性が高まります。
「気づかなかった」では済まされにくくなる時期でもあります。
3ヶ月以上:違反の悪質性が問われる時期
3ヶ月以上経過している場合は、故意に手続きを放置していたと判断される可能性も高まるとも考えられます。
この段階では、罰金に処せられるリスクや、各種トラブルが深刻化している可能性があります。
不安があれば、弁護士や行政書士に相談することも検討した方が良いかもしれません。
車の名義変更が15日を過ぎてしまった場合の対処法をまとめます
車の名義変更が15日を過ぎてしまったということは、法律上は違反状態にあるということです。
しかし、だからこそ、ここが重要な転機になるのです。
このタイミングで正しく対処することで、問題を最小限に抑えることができます。
以下のポイントを押さえて、落ち着いて対応してください:
- 焦らずに、まずは現状を受け入れる:15日を過ぎても手続きは可能です
- できるだけ早く手続きに行く:1日でも早く対処することが重要です
- 必要書類を事前に確認する:管轄の運輸支局に電話で相談するのが確実です
- 手続きと同時に保険等の変更も進める:名義変更だけでなく、総合的な対応が重要です
- 期間が長い場合は専門家に相談する:弁護士や行政書士の力を借りることも選択肢です
法的には違反状態ですが、実際の手続きはとてもシンプルです。
書類さえ揃えば、30分~1時間で新しい車検証が交付されます。
その後は、新しい所有者として堂々と車に乗ることができるのです。
まずは一歩を踏み出しましょう
「もう遅いのでは」という不安な気持ちは、誰もが持つものです。
しかし、その不安を抱えたまま放置することが、問題をより深刻にします。
逆に、今この瞬間に行動することで、その不安は確実に消えるのです。
今日、この記事を読んでいるあなたが、管轄の運輸支局または軽自動車検査協会に電話をかけてみてください。
「何日前に譲渡された車の名義変更をしたいのですが、必要な書類は何ですか?」
その一言で、スタッフは丁寧に対応してくれます。
その電話をかけた瞬間から、あなたの問題解決は始まるのです。
書類を揃えて窓口に行けば、新しい所有者として新しいスタートが切れます。
車の名義変更は、想像しているほど難しいものではありません。
ぜひ、今週中に手続きを完了させてくださいね。