
漢字の読み方には「音読み」と「訓読み」の2種類がありますが、その違いや見分け方がよく分からないという方は多いですよね。
実は、発音だけで意味がわかるかどうかや送りがなの有無など、7つのコツを知ることで、初めて見る漢字でもほぼ確実に見分けられるようになります。
この記事では、これらのコツを具体例とともに詳しく解説していますので、テスト対策から日常学習まで、幅広くご活用ください。
音読みと訓読みは「由来の違い」で見分けられます

音読みと訓読みの見分け方は、7つのコツを組み合わせることで、かなり高い確率で判定できます。
その中でも特に有効なのが「発音だけで意味がわかるかどうか」「送りがなが付くかどうか」「読みの文字数」の3つです。
これらを理解することで、苦手意識を持つ必要はなくなり、むしろ漢字学習が楽しくなります。
音読み・訓読みの基本を知ろう
音読みとは?
音読みとは、漢字が中国から伝わったときの中国語の発音をもとにした読み方です。
例えば、「山」はサン、「首」はシュ、「魚」はギョという具合に、音読みは比較的短く、何音か(1音から3音まで)で構成されています。
音読みの特徴として、単独で聞くだけでは具体的な意味がわかりにくいという点が挙げられます。
「サン」と聞いて、すぐに山を想像できる人は少ないですよね。
これは、音読みが中国由来の発音であり、日本語本来の言葉ではないためです。
訓読みとは?
一方、訓読みとは、漢字の意味に対して、日本にもともとあった和語(日本語の言葉)をあてた読み方です。
「山」はやま、「首」はくび、「魚」はさかなまたはうおというように、より日本語らしい響きを持っています。
訓読みの最大の特徴は、発音だけで具体的な意味が思い浮かぶということです。
「やま」と聞けば誰もが山の映像を思い浮かべることができます。
これは訓読みが、日本人の日常生活に根ざした言葉であることを示しています。
7つの見分け方のコツを身につけよう
コツ1:発音だけで意味がわかるかどうか
最も簡単で確実な見分け方が、発音だけで具体的なもの・様子が思い浮かぶかという判断です。
- 発音だけで具体的な意味が分かる→ 訓読みの可能性が高い
- 発音だけでは何を指すか分かりにくい→ 音読みの可能性が高い
例えば「くび」と聞けば首の部分を想像できますが、「シュ」と聞いてすぐに首を思い浮かべる人は少ないですね。
同様に「やま」は山を、「さかな」は魚を、「くさ」は草を連想しやすいのに対し、「サン」「ギョ」「ソウ」は何を指すかが分かりにくいのです。
ただし例外もあり、「イチ(一)」「ハチ(八)」は意味が分かりやすいのに音読みである点に注意が必要です。
コツ2:送りがなが付くかどうか
送りがなが必要な読み方は、ほぼ確実に訓読みです。
- 「食べる」の「食」→ 訓読み
- 「表す」の「表」→ 訓読み
- 「読む」の「読」→ 訓読み
これは、日本語の文法上、動詞や形容詞の活用には訓読みが用いられることが多いためです。
一方、「〜する」「〜じる」の前の部分は、原則として音読みです。
例えば、「接する(セッ・する)」「屈する(クッ・する)」「生じる(ショウ・じる)」のように、漢字の部分は音読みされています。
コツ3:読みの長さ(文字数)で判定する
読みの文字数(かな何文字か)で、かなり高い精度で見分けられます。
- かな3文字以下→ 音読みの可能性が大きい
- かな4文字以上→ ほぼ確実に訓読み
理由は、音読みは中国語の発音を日本語化したものなので、必ず3文字以下だからです。
例えば「サン」「ギョ」「シン」「キン」など、1音から3音までしか存在しません。
一方、訓読みは日本語の言葉をそのまま使うので、4文字以上になることが珍しくありません。
4文字以上の訓読みの例
- こころざし(志)
- おおやけ(公)
- わたくし(私)
- いもうと(妹)
コツ4:読みの形(拍数・拗音)で判定する
特に2拍の読みのときに有効なコツがあります。
小さい「ゃ・ゅ・ょ」を含む2拍の読み
小さい「ゃ・ゅ・ょ」を含む2拍(例:きゃ、ちゅ、ぎょ)の場合、音読みになりやすい傾向があります。
- 客(きゃく)
- 蝶(ちょう)
- 曲(きょく)
末尾が「ン・チ・ク・キ・ツ・イ」の2拍の読み
2拍目(末尾)が「ウンチクキツイ」の文字で終わる読み方は音読みというコツもあります。
末尾が「ウンチクキツイ」の音読みの例
- 空(クウ)→ 末尾が「ウ」
- 円(エン)→ 末尾が「ン」
- 日(ニチ)→ 末尾が「チ」
- 悪(アク)→ 末尾が「ク」
- 席(セキ)→ 末尾が「キ」
- 達(タツ)→ 末尾が「ツ」
- 愛(アイ)→ 末尾が「イ」
コツ5:濁音・ラ行で始まるかどうか
濁音(が・ぎ・ぐ・げ・ご/ざ・じ・ず・ぜ・ぞ/だ・ぢ・づ・で・ど/ば・び・ぶ・べ・ぼなど)やラ行で始まる読みは、音読みが多い傾向があります。
- 力(リョク)→ ラ行で始まる音読み
- 理(リ)→ ラ行で始まる音読み
- 現(ゲン)→ 濁音で始まる音読み
- 語(ゴ)→ 濁音で始まる音読み
ただし、「濁音が多い」というだけで、あくまで傾向に過ぎません。
例外が存在することを念頭に置いておきましょう。
コツ6:熟語か、一字だけか
二字以上の漢字がつながった熟語では音読みが圧倒的に多いという特徴があります。
二字熟語は音読みが多い例
- 山林(サンリン)
- 人口(ジンコウ)
- 学校(ガッコウ)
- 食事(ショクジ)
- 火水(カスイ)
一方、一字だけで名詞として使う場合は訓読みが多い傾向があります。
一字だけで使うときは訓読みが多い例
- 山(やま)
- 川(かわ)
- 人(ひと)
- 魚(さかな)
- 火(ひ)
コツ7:複合的に判定する
以上の6つのコツは単独で使えますが、複数のコツを組み合わせるとさらに精度が上がります。
例えば、ある漢字について「読みが3文字」「末尾がク」「熟語の中にある」という3つの条件が揃えば、ほぼ確実に音読みと判定できるのです。
具体例で見分け方を実践してみましょう
【例1】「生」という漢字
「生」という漢字には複数の読み方がありますが、見分け方を実践してみます。
音読み:「セイ」「ショウ」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「セイ」「ショウ」だけでは意味不明 → 音読み ✓
- 文字数は? → 2文字 → 音読みの可能性大 ✓
- 末尾が「ウンチクキツイ」か? → 「イ」で終わる → 音読みの特徴 ✓
- 熟語で使われているか? → 「生活(セイカツ)」「先生(センセイ)」など多数 → 音読み ✓
訓読み:「い・きる」「う・まれる」「は・える」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「いきる」「うまれる」「はえる」は具体的な意味が分かる → 訓読み ✓
- 送りがなが付いているか? → 「きる」「まれる」「える」など送りがな有り → 訓読み ✓
- 文字数は? → 3〜4文字 → 訓読みの可能性大 ✓
【例2】「書」という漢字
音読み:「ショ」「ショウ」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「ショ」「ショウ」だけでは何なのか不明 → 音読み ✓
- 文字数は? → 2文字 → 音読みの可能性大 ✓
- 熟語で多く使われるか? → 「書籍(ショセキ)」「図書館(トショカン)」など → 音読み ✓
訓読み:「か・く」「かき」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「かく」「かき」は「書く」「書き」と意味が明確 → 訓読み ✓
- 送りがなが付いているか? → 「く」「き」など送りがな有り → 訓読み ✓
- 一字だけで名詞になるか? → 「かき(書き)」のように名詞化する → 訓読み ✓
【例3】「水」という漢字
音読み:「スイ」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「スイ」だけでは意味不明 → 音読み ✓
- 末尾が「ウンチクキツイ」か? → 「イ」で終わる → 音読み ✓
- 熟語で多く使われるか? → 「水面(スイメン)」「水道(スイドウ)」など → 音読み ✓
訓読み:「みず」
- 発音だけで意味がわかるか? → 「みず」と聞けば水を思い浮かぶ → 訓読み ✓
- 一字だけで名詞になるか? → 「みず」は典型的な日本語の名詞 → 訓読み ✓
- 文字数は? → 3文字 → 訓読みの可能性大 ✓
テスト対策用・超要約「見分け方セット」
ここまでの内容を、テスト勉強用にコンパクトにまとめました。
この7項目をチェックすることで、初見の漢字でもかなりの確率で見分けられます。
| 見分けるポイント | 判定結果 |
|---|---|
| 発音だけで意味がわかる | 訓読み |
| 送りがなが付く | 訓読み |
| 読みが4文字以上 | 訓読み |
| 読みが3文字以下 | 音読みの可能性大 |
| 小さい「ゃ・ゅ・ょ」を含む2拍、または末尾が「ウンチクキツイ」の2拍 | 音読みになりやすい |
| 濁音・ラ行で始まる | 音読みが多い |
| 二字以上の熟語の中にある | ほぼ音読み |
より深く理解するための補足知識
漢字が日本に伝わった経緯
音読みと訓読みの関係を理解するには、漢字がどのようにして日本に伝わったかを知ることが役立ちます。
漢字は5世紀から6世紀に中国から日本へ伝わってきました。
当初、日本人はこの漢字の中国語での読み方をそのまま採用しました。
これが音読みの始まりです。
その後、日本人は漢字の「意味」に注目して、日本語にもともとあった言葉(和語)をあてはめるようになりました。
これが訓読みの始まりです。
つまり、漢字1字に対して、中国語読み(音読み)と日本語読み(訓読み)の両方が存在するというわけなのです。
複数の音読み・訓読みが存在する理由
同じ漢字に複数の音読みや訓読みが存在することもあります。
これは、時代によって中国の地域や発音が異なっていたこと、および日本国内の地域によって異なる言葉を漢字にあてはめたことが理由です。
例えば「生」には「セイ」「ショウ」という2つの音読みがあり、「いきる」「うまれる」「はえる」など複数の訓読みがあります。
これは上記のような歴史的背景を反映しているのです。
見分け方をマスターするコツ
何度も繰り返し練習すること
7つのコツを理解したら、実際の練習問題で何度も繰り返すことが大切です。
最初は時間がかかるかもしれませんが、繰り返すことで直感的に判定できるようになります。
例外も学ぶこと
これまで説明したコツは「傾向」であり、100%確実ではないことを理解しましょう。
例外を知ることで、より正確な判定ができるようになります。
特に難しい漢字では、複数のコツを組み合わせて判定することが重要です。
身近な漢字から始めること
難しい漢字から学ぶのではなく、日常生活で見かける身近な漢字から見分け方を練習することをおすすめします。
「山」「川」「火」「水」「木」などの基本的な漢字で感覚を掴んでから、徐々に難度を上げていくと良いでしょう。
まとめ:音読み・訓読みは確実に見分けられます
音読みと訓読みは、7つのコツを知ることでほぼ確実に見分けられます。
最も基本的で有効な3つのコツは以下の通りです。
- 発音だけで具体的な意味がわかるか:わかる → 訓読み、わかりにくい → 音読み
- 送りがなが付くか:付く → ほぼ訓読み
- 読みが何文字か:4文字以上 → 訓読み、3文字以下 → 音読み
これら3つだけで、かなり多くの漢字を正しく判定することができます。
さらに、末尾の音の特徴や濁音の有無などを組み合わせれば、初見の漢字でも自信を持って見分けられるようになるのです。
漢字学習は単なる暗記ではなく、論理的な思考プロセスです。
今回紹介した見分け方を身につければ、これからの漢字学習がずっと楽になり、成績向上にもつながるでしょう。
さあ、今日から実践してみましょう
これまで「音読みと訓読みの違いがわからない」と感じていた方も、この7つのコツを知ることで、苦手意識を払拭できるはずです。
大切なのは、今すぐ手持ちの漢字テキストや教科書を開いて、実際に見分け方を試してみることです。
最初は時間がかかるかもしれませんが、10個、20個と練習していくうちに、自然と判定速度が上がっていきます。
テスト前に焦るのではなく、今からコツコツと練習を重ねることで、音読み・訓読みの見分けは得意な領域へと変えることができるのです。
あなたの漢字学習が、この記事によってより効果的になることを心から応援しています。