鼻詰まりで味しない時の治し方は?【知恵袋】

鼻詰まりで味しない時の治し方は?【知恵袋】

風邪やアレルギーで鼻が詰まると、なぜか食事の味がわからなくなってしまうという経験はありませんか?
実は、これは鼻詰まりと味覚が密接に関連しているためで、多くの人が経験する現象です。
この記事では、鼻詰まりで味がしなくなる理由と、その効果的な治し方をくわしく解説します。
すぐに実践できる対策方法から医学的な治療法まで、あなたの悩みを解決するための知識を詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

鼻詰まりで味がしなくなるのは、嗅覚障害が原因です

鼻詰まりで味がしなくなるのは、嗅覚障害が原因です

まず大切なのは、鼻詰まりで味がしなくなるのは、実は味覚障害ではなく嗅覚障害だということです。
私たちが「味わう」と感じているのは、実は70~90%が嗅覚によるものです。
つまり、鼻が詰まると匂いが感じられず、結果として食事の味が感じられなくなってしまうのです。

この現象を医学的には「気導性嗅覚障害」または「風味障害」と呼びます。
適切な治療を受ければ、70~90%の確率で改善可能とされていますので、決して諦める必要はありません。

なぜ鼻詰まりになると味がしなくなるのか?

嗅覚と味覚の関係性

私たちの舌にある味蕾(みらい)は、実は甘い、塩辛い、酸っぱい、苦い、うま味という5つの基本的な味しか感知できません。
一方、鼻の奥にある嗅粘膜は、数千種類もの香りを識別することができます。

食事をした時に、食べ物の香りは次の2つの経路を通って脳に伝わります。

  • 口からの経路:食べ物を食べた時に、直接香りが鼻を通る「直鼻腔ルート」
  • 鼻からの経路:食べ物を飲み込んだ時に、咽頭から鼻へ逆流する「後鼻腔ルート」

鼻が詰まると、これらのルートが塞がってしまい、香りが嗅粘膜に届かなくなるのです。
その結果、脳が「味がしない」と感じてしまうわけです。

鼻詰まりの主な原因

鼻詰まりで味がしなくなる場合、以下のような原因が考えられます。

1. 風邪やウイルス感染

風邪は最も一般的な鼻詰まりの原因です。
ウイルスが鼻の粘膜に感染すると、粘膜が腫れて鼻腔が狭くなり、空気の通り道(嗅裂)が塞がれてしまいます。

2. アレルギー性鼻炎

花粉症やハウスダストなどのアレルギー反応により、鼻の粘膜が慢性的に腫れて詰まってしまう状態です。
季節的に症状が強くなることが特徴です。

3. 慢性副鼻腔炎

副鼻腔(顔の骨の中にある空洞)に炎症が起こり、膿が溜まってしまう病気です。
この場合、鼻ポリープが伴うことが多く、より強い鼻詰まりと味覚障害をもたらします。

4. 二次的な要因

以下のような要因が鼻詰まりの味覚障害を悪化させることがあります。

  • 亜鉛不足:味蕾や嗅粘膜の再生に必要な栄養素が不足
  • 加齢:嗅覚と味覚の機能が自然に低下
  • 薬の副作用:特定の内服薬が嗅覚に影響を与える場合がある

鼻詰まりで味がしない時の効果的な治し方

即効性のある対症療法

1. 高温蒸気ネブライザー・鼻洗浄

最も手軽ですぐに効果が期待できる方法です。

やり方:
温かいお湯に顔を近づけ、蒸気を吸い込みます。
または、市販の鼻洗浄キット(生理食塩水)を使用して、鼻腔内の鼻汁や分泌物を除去します。

蒸気の温熱作用により、血管が拡張して鼻の通りが改善されます。
風邪やアレルギー性鼻炎による一時的な詰まりに特に効果的です。
1日2~3回、15分程度の実施がおすすめです。

2. ステロイド点鼻薬

アレルギー性鼻炎や鼻ポリープによる鼻詰まりに対して、医学的に最も推奨される薬剤です。

使用方法のコツ:

  • 頭を後ろに傾けるのではなく、前に傾けて鼻奥に薬液を届ける
  • 1日1~2回、指定用量の使用
  • 即効性ではなく、数日~数週間の継続使用で効果が出始めます

副作用が少なく、安全性が高いことが特徴です。

3. 抗ヒスタミン薬

アレルギー反応による鼻の腫れを抑える内服薬です。
通常の市販の風邪薬や鼻炎薬に含まれていることが多いです。

中期的な治療方法

1. マクロライド系抗菌薬と去痰剤の組み合わせ

慢性副鼻腔炎の治療に用いられます。
半量を長期間(2~3ヶ月)服用することで、副鼻腔炎の改善率が向上します。

抗菌作用だけでなく、炎症を抑える作用も期待できる治療法です。

2. 亜鉛製剤の補充

亜鉛不足が味覚・嗅覚障害の一因である場合、亜鉛製剤を1ヶ月間服用すると70~90%の改善率が報告されています。

亜鉛は味蕾と嗅粘膜の細胞再生に不可欠な栄養素です。
医師の指示に従い、適切な用量を服用することが重要です。

3. 嗅覚刺激療法

毎日特定の香りを嗅ぐことで、嗅覚機能を回復させる治療法です。

方法:

  • バラ、ユーカリ、レモン、クローブの4種類の香りを用意
  • 1日2回、それぞれを10秒程度嗅ぐ
  • 風邪後のウイルス感染による嗅覚障害に特に効果的

毎日継続することが改善の鍵となります。

専門医による治療方法

1. 内視鏡手術(ESS:Endoscopic Sinus Surgery)

慢性副鼻腔炎で薬物療法が無効な場合、70~80%の改善率が期待できる手術です。

最小限の侵襲で副鼻腔の炎症を取り除き、正常な鼻腔の通路を回復させます

2. 舌下免疫療法

アレルギー性鼻炎が原因の場合、体質から改善する治療法です。
原因物質を少量ずつ舌下に投与することで、アレルギー反応を弱めます。

3. アリナミンテストによる診断

鼻詰まりが原因なのか、嗅神経障害が原因なのかを判定する検査です。
静脈注射で臭い物質を投与し、肺経由で嗅ぐことで、どこに問題があるかを特定できます。

具体的な治療例とその効果

例1:風邪による一時的な鼻詰まりと味覚障害

【症状】
39℃の発熱があり、強い鼻詰まりで食事の味が全くしない状態。

【対応】

  • 蒸気吸入を1日3回実施
  • 市販の鼻炎薬を服用
  • 十分な睡眠と水分補給

【結果】
3~4日で症状が改善し、1週間でほぼ完全に回復。

【ポイント】
風邪による一時的な鼻詰まりは、体が回復するとともに自然に改善されます。
この段階では、対症療法で十分です。

例2:季節性アレルギー性鼻炎による鼻詰まりと味覚障害

【症状】
花粉の季節に毎年、慢性的な鼻詰まりで味覚が低下。
外出時にくしゃみと鼻水が増加。

【対応】

  • ステロイド点鼻薬を毎日使用開始
  • 抗ヒスタミン薬を毎日内服
  • 花粉症対策(マスク着用など)

【結果】
2週間で鼻詰まりが改善し、味覚も徐々に戻る。
シーズン中、継続使用で症状をコントロール。

【ポイント】
アレルギー性鼻炎は薬物療法で十分にコントロール可能です。
症状が出る前から予防的に薬を使うことも効果的です。

例3:慢性副鼻腔炎による鼻詰まりと味覚障害

【症状】
数ヶ月間、常に鼻詰まりと味覚障害が続く。
鼻から悪い臭いがする(自臭症)。
市販薬では改善しない。

【対応】

  • 医師の診察を受け、CT検査で副鼻腔炎を確認
  • マクロライド系抗菌薬を低用量で3ヶ月間服用
  • ステロイド点鼻薬を併用
  • 症状改善後も1~2週間に1回の通院で経過観察

【結果】
1ヶ月で症状が改善し始め、3ヶ月で大幅に改善。
味覚もほぼ正常に戻る。
その後、維持療法で再発防止。

【ポイント】
慢性副鼻腔炎は専門医の診察と適切な治療が必須です。
早期に医師に相談することで、手術を避けられることが多いです。

鼻詰まりで味がしない時に注意すべきこと

自己判断は危険です

鼻詰まりと味覚障害が続く場合、単なる風邪やアレルギーではなく、脳疾患(アルツハイマー病など)が隠れていることもあります
1ヶ月以上改善しない場合は、必ず耳鼻咽喉科を受診してください。

一般的な注意点

  • ステロイド点鼻薬を長期間勝手に使い続けない(医師の指導を受けること)
  • 市販の鼻詰まり薬に含まれる血管収縮薬は、長期使用で薬物性鼻炎になる可能性がある
  • 鼻洗浄液の濃度が不適切だと、鼻の粘膜を傷つけることがある
  • 改善しない場合は、複数の医師の意見を聞くことも有用です

食事の工夫で対策する

鼻詰まりで味がしない時期でも、栄養をしっかり摂取することは重要です。

対策 理由と効果
辛い食べ物を選ぶ 唐辛子などの刺激物は、香りに頼らずに感覚で食べやすくなります
温かい食べ物を選ぶ 温度による感覚が加わり、味わいが強調されます
食感がある食べ物を選ぶ クリスピーなど、食感からの満足感が得られます
亜鉛を含む食事 牡蠣、豚肉、かぼちゃの種などで嗅覚機能を回復支援
ビタミン類の摂取 柑橘類、緑野菜で粘膜の修復を促進

医学的治療の最新動向

新型コロナ後の嗅覚障害

新型コロナウイルス感染後の嗅覚障害についても、従来と同様の治療により70~80%が回復することが報告されています。

以下の治療が効果的です。

  • ステロイド点鼻薬・内服薬
  • 亜鉛製剤
  • 嗅覚刺激療法

漢方・ビタミン療法

西洋医学の治療と並行して、漢方薬(当帰芍薬散など)やビタミン B12、ビタミン C の補給も有用とされています。
全体的な体調改善と粘膜再生を支援します。

鼻詰まりで味がしない時は、嗅覚障害対策が最優先です

重要なポイントをまとめます。

  • 鼻詰まりで味がしなくなるのは、実は味覚障害ではなく嗅覚障害が原因です
  • 風邪やアレルギー性鼻炎が主な原因で、原因を特定することが治療の鍵になります
  • 蒸気吸入や鼻洗浄は即効性があり、自宅でも実施可能です
  • ステロイド点鼻薬は、医学的に最も推奨される治療法です
  • 慢性的な症状には、亜鉛製剤や嗅覚刺激療法が効果的です
  • 1ヶ月以上改善しない場合は、必ず耳鼻咽喉科を受診してください
  • 適切な治療により、70~90%の患者が改善しています

今からできることを始めましょう

鼻詰まりで味がしないという悩みは、多くの人が経験しますが、適切な対策を取れば確実に改善できる問題です。

もし今、あなたが鼻詰まりと味覚障害に悩んでいるなら、以下のステップで対応してみてください。

  1. 症状を観察する:いつから始まったのか、他の症状がないか確認
  2. 自宅でできる対策を試す:蒸気吸入や鼻洗浄を1週間試してみる
  3. 改善がなければ医師に相談する:耳鼻咽喉科で専門的な診断を受ける
  4. 治療を継続する:医師の指示に従い、治療を続ける

味覚が戻ると、食事の楽しみが復活し、生活の質が大きく向上します。
食べ物の香りと味を再び感じられることは、当たり前のように思えますが、失ってみると本当に大切なものだとわかりますよね。

今このとき、あなたが一歩踏み出すことで、美味しい食事の時間が戻ってきます
勇気を持って、耳鼻咽喉科に相談してみてください。
多くの患者さんが、適切な治療により味覚を取り戻しています。

あなたもきっと大丈夫です。
今から対策を始めれば、数日から数週間で改善が期待できます。
ぜひ、この記事で紹介した方法を実践してみてくださいね。

キーワード: 鼻詰まり 味しない 治し方