
突然ですが、愛猫が病気やけがで手術が必要になったのに、その費用が高すぎて払えない……そんな状況に陥る飼い主さんは少なくありません。
猫の手術費用は数万円から数十万円に達することもあり、決して安い金額ではありませんね。
でも安心してください。実は手術費用が払えないときに、現実的に取りうる選択肢が複数あるのです。
このページでは、自治体の助成金から分割払い、支援団体の利用まで、具体的で実行可能な解決策をご紹介します。
適切な対処法を知ることで、愛猫の命を守るための選択肢を増やすことができますよ。
手術費用が払えないときの第一選択肢は「病院への相談」です

結論からいうと、猫の手術費用が払えないなら、まずはかかりつけの獣医師に素直に相談することが最優先です。
支払い方法の工夫や治療プランの見直しなど、獣医師と一緒に解決策を探ることで、思っていたよりも前に進むことができるケースがほとんどです。
なぜ病院への相談が最優先なのか、詳しく解説します
緊急度と必要性を正確に見極める重要性
まず知っておきたいのは、すべての手術が「今すぐやらなければならない」わけではないということです。
手術が必要だと診断されても、その緊急度には大きな差があります。
猫ちゃんの治療は段階的に進められることが多いです
- 24時間以内に手術が必要な緊急手術(尿閉、腸閉塞、出血など)
- 数日~数週間以内に手術することが望ましい手術(腫瘍の摘出など)
- 内服薬や経過観察で様子を見てから判断する治療
獣医師に「この手術をしないとどうなるのか」「どの治療を後回しにできるのか」を詳しく聞くことで、治療の優先順位が明確になり、費用負担を分散させる戦略を立てられます。
見積もりの細分化で費用を把握する
提示された手術費用の見積もりには、通常、複数の項目が含まれています。
一般的な見積もり内訳の例
- 初診料・検査料(血液検査、画像検査など)
- 手術費用
- 麻酔費用
- 入院費用
- 点滴・内服薬など周辺治療費
- 抜糸費用
病院に「この見積もりを項目ごとに分けて説明してもらう」「削減できる項目がないか相談する」ことで、「最低限必要な治療」と「後からでも大丈夫な治療」の区分けが可能になることがあります。
支払い方法の相談で経済的な負担を軽減
病院によっては、以下のような柔軟な支払い方法に対応しているところがあります。
- クレジットカード払い(ポイント還元が使える)
- 医療費の分割払いプラン
- 後払いサービス
- 複数回に分けての支払い
「一括で払えないのですが……」と正直に相談することで、思わぬ柔軟対応をしてくれる病院も多くあります。
大事なのは、「払いたいけど払えない」という状況を病院にきちんと伝えることです。
実現可能な5つの具体的な解決策
【解決策①】自治体の不妊・去勢手術助成金を活用する
全国の多くの自治体では、猫の不妊手術(避妊・去勢)に対して助成金を交付しています。
対象が限定される場合も多いですが、該当すれば確実に費用負担を減らせます。
大阪府枚方市の助成金制度の例
枚方市では、猫の不妊・去勢手術に対して以下のような助成制度を実施しています。
| 対象 | 補助額 | 条件 |
|---|---|---|
| 飼い主のいない猫 (耳のV字カットあり) |
1匹 10,000円 | 市内在住、指定期間内、指定エリアの獣医師での手術 |
| 飼い猫 | 1匹 3,500円 |
ただし、予算に上限があり、募集期間も限定されているため、早めに市の環境衛生課に問い合わせることが重要です。
熊本県菊陽町の助成金制度の例
飼い主のいない猫を対象に、オス・メスともに1頭5,000円の補助を行っています。
受付期間は2025年4月1日~2026年3月31日で、予算がなくなり次第終了となるため、早期の申請が必要です。
全国の自治体で類似制度が運用されています
青森市など、多くの自治体で不妊・去勢手術費の補助事業を行っています。
お住まいの地域で制度がないか確認するには、以下の方法がおすすめです。
- 市区町村のホームページで「猫 不妊手術 補助」「避妊・去勢 助成金」で検索
- 市役所の環境衛生課・動物愛護担当課に直接電話で確認
- 「(地域名) 猫 去勢 助成金」でGoogle検索
【解決策②】動物保護団体やボランティア団体の支援を利用する
全国には、地域猫のTNR活動(捕獲・不妊手術・元の場所へ戻す)を行っているボランティア団体が多数あります。
これらの団体が提供できる支援の例
- 低料金での不妊手術実施
- 手術費用の全額または一部補助
- 複数の病院の紹介(費用が安い病院を知っている)
- 経験者としてのアドバイス
特に「地域猫」として認定されると、助成金の対象になる自治体も多いです。
ボランティア団体を見つける方法
- 「(お住まいの地域名) 猫 TNR」で検索
- 「(地域名) 地域猫 不妊手術 ボランティア」で検索
- 動物愛護センター(各自治体)に問い合わせて、地域の団体を紹介してもらう
- SNS(Facebook、Twitterなど)で「地域名 + 猫 + ボランティア」で検索
団体を見つけたら、メールやフォームで「手術が必要な猫がいる」という事情を説明し、支援の可能性を相談してみてください。
【解決策③】大学付属動物病院や公益性の高い施設を利用する
一般の動物病院よりも比較的低料金で治療を受けられる施設があります。
このような施設の特徴
- 教育目的の診療で、一般的な病院より費用が安く設定されている場合が多い
- 公益法人や大学が運営しているため、営利目的でない
- 研修医が担当する場合、さらに費用が低くなることもある
ただし注意点もあります。
⚠️ 注意点:遠方にあることが多く、事前予約が困難です。また、かかりつけ医からの紹介状が必要な施設も存在します。時間的余裕がある場合の選択肢として検討してください。
利用する際の手順
- お住まいの地域の大学獣医学部に付属動物病院があるか確認
- かかりつけ医に相談して、紹介状を書いてもらえるか確認
- 直接電話で「費用が安いか」「予約状況」を確認
【解決策④】医療ローンやクレジットカード分割払いの活用
高額な手術費用を一括で払えない場合、金融的な工夫で対応することも可能です。
利用可能な金融商品の例
- 医療ローン:ペット医療に対応しているローンもあり、病院から直接申し込める場合がある
- クレジットカードの分割払い:ポイント還元も受けられるメリットがある
- 後払いサービス:一部の病院で「治療後、後から支払う」形式に対応
- 銀行カードローン:生活費を工面して手術費用に充てる選択肢
必ず病院に「分割払いが可能か」「医療ローンの提携先があるか」を先に確認してから申し込みましょう。
クレジットカード分割払いの利点
- すぐに手術を進めることができる
- クレジットカードのポイントが付与される場合がある
- 金利は商品によるが、比較的低く設定できることもある
【解決策⑤】SNS・クラウドファンディングで支援を募る(時間的余裕がある場合)
緊急性が低めの高額手術の場合、SNSで支援を募る方法もあります。
この方法が有効なケース
- 手術まで数週間~数ヶ月の時間的余裕がある
- 突然の高額医療費(数十万円単位)
- 飼い猫が珍しい病気で、多くの人の共感を呼ぶ可能性がある
ただし、以下の点に注意が必要です。
⚠️ 注意点:必ず支援が集まるとは限りません。また、クラウドファンディングのプラットフォーム手数料(10~15%)がかかることが多いです。さらに、個人情報の公開が必要になるため、プライバシーをよく考慮してから利用判断してください。
有効なプラットフォーム
- Twitter・Facebook:フォロワーに直接呼びかけられる
- クラウドファンディング(CAMPFIRE、ReadyForなど):専用プラットフォームで集中的に募集できる
- 動物保護団体の協力:経験豊富な団体が情報発信を手伝ってくれることもある
猫の手術費用の一般的な相場を知っておく
避妊・去勢手術の費用
最も一般的な手術である避妊・去勢手術の費用は以下の通りです。
| 手術の種類 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 避妊手術(メス) | 20,000~40,000円 | 入院・抜糸込みが多い |
| 去勢手術(オス) | 10,000~25,000円 | 避妊手術より低額傾向 |
緊急・高度医療の手術費用
病気やけが、腫瘍などで必要になる手術は、もっと高額になることが多いです。
費用の幅がある理由
- 入院日数によって異なる
- 検査の種類や数が増えると費用が上がる
- 手術の難易度(時間がかかるほど高い)
- 使用する薬や材料のコスト
- 術後管理(点滴、投薬)の期間
緊急手術・高度医療では、数万円~10万円超になることが珍しくありません。
さらに、データによると、猫の飼い主の約26%が「5万円以上の医療費請求」を経験しており、約16%が「10万円以上」を経験しているとされています。
実際に費用が払えないときのステップ・バイ・ステップガイド
今すぐできるチェックリスト
【ステップ1】病院で確認すること(本日中)
- □ 「この手術は本当に今すぐ必要か」を確認
- □ 見積もりを項目ごとに分解して説明してもらう
- □ 削減できる検査や治療がないか相談
- □ 分割払い、クレジット払い、後払いの可否を確認
- □ 医療ローン提携先があるか聞く
【ステップ2】自治体に確認すること(1~2日以内)
- □ 市区町村のホームページで助成金制度を検索
- □ 環境衛生課・動物愛護課に電話で制度の有無を確認
- □ 受付期間、対象条件、金額を把握
- □ 申請に必要な書類を確認
【ステップ3】地域のボランティア団体を探す(1~3日)
- □ 「地域名 + 猫 + TNR」で検索
- □ 見つかった団体にメール・フォーム・SNS DM で相談
- □ 相談内容(猫の状況、手術の種類、必要な費用)を詳しく説明
- □ 返答を待つ
【ステップ4】必要に応じて金融手段を検討(2~3日)
- □ クレジットカード分割払いの手数料を計算
- □ 医療ローン申し込み(病院で案内される場合が多い)
- □ 家族・親戚への相談
【ステップ5】複数の選択肢を組み合わせる
- □ 自治体の助成金 + クレジット分割払い
- □ ボランティア団体の支援 + 病院の分割払い
- □ 大学病院への転院 + クレジット払い
今後の「万が一」に備える方法
ペット保険の検討
すでに病気やけがをしている猫は、新規でペット保険に加入する際に「その病気は補償対象外」となることが多いです。
しかし、健康な猫ちゃんなら、今のうちにペット保険に加入することで、将来の高額医療費に備えられます。
ペット保険選択時のポイント
- 手術費用の補償内容(補償割合は70%、80%など)
- 年間の支払限度額
- 月々の保険料(経済的に続けられるか)
- 慢性疾患の扱い(加入後の疾患が継続的に補償されるか)
緊急医療費の積み立て
ペット保険に加入していなくても、毎月数千円を別口座に積み立てておくだけで、万が一のときに心強いです。
目標額の目安
- 最低限:5~10万円
- より安心:15~20万円
- 十分:30万円以上
月3,000円でも、1年で36,000円、3年で108,000円になります。
無理のない範囲で、継続的に積み立てることをおすすめします。
手術費用の負担を減らすための心構え
「払えない」を恥ずかしがらないことが大切です
愛猫のために手術費用について悩むのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、多くの飼い主さんが同じ悩みを抱えているのが現実です。
獣医師も、飼い主さんが経済的に苦しいことを理解しています。
素直に「払えないのですが……」と相談することで、思わぬ柔軟対応をしてくれることも多いのです。
複数の選択肢を組み合わせる発想
「自治体の助成金は3,500円、クレジット分割払いで月5,000円、ボランティア団体から2,000円の支援」というように、複数の手段を組み合わせることで、経済的な負担を大幅に軽減できることも多いです。
手術費用が払えないときの現実的な解決策
猫の手術費用が払えないときは、以下の5つの方法が実現可能です:
- 自治体の不妊・去勢手術助成金(数千~数万円の補助)
- 動物保護団体やボランティア団体の支援(低料金手術や補助金)
- 大学付属動物病院などの公益的施設の利用(一般病院より低料金)
- 医療ローンやクレジットカード分割払い(月々の負担を減らす)
- SNS・クラウドファンディング(時間的余裕がある場合)
最も大事なのは、まずかかりつけの獣医師に相談して、治療プランと支払い方法を一緒に考えること。
その上で、自治体制度や支援団体などの外部リソースを組み合わせることで、ほぼすべてのケースで解決策が見つかります。
背中を押すメッセージ
愛猫のために手術費用について真剣に悩んでいるあなたは、本当に立派な飼い主さんです。
「お金がない」という理由で、愛猫の命を守る選択肢をあきらめる必要はありません。
この記事で紹介した方法を、一つひとつ丁寧に試してみてください。
獣医師への相談が最初の一歩ですが、それは決して難しいことではありません。
「申し訳ないのですが、費用について相談したいことがあります」という一言から、すべてが始まります。
自治体の助成金、ボランティア団体の支援、病院の分割払い――これらすべてが、すでに世の中に存在している、確かな仕組みです。
それらを知るだけで、あなたの選択肢は確実に増えます。
愛する猫ちゃんを救うために、今日から一歩を踏み出してみませんか?
応援しています。