
「初期を過ぎたはずなのに、なぜまた?」という不安は多くの妊婦さんが経験するものです。
この記事では、妊娠中期のつわりぶり返しの原因から対処法まで、すべてを詳しく解説していきます。
妊娠中期でのつわり症状に困る日々から解放されるための情報を、ここでしっかり学んでいきましょう。
妊娠中期のつわりぶり返しは多くの妊婦さんが経験する症状です

妊娠中期(妊娠14週~27週頃)でつわりがぶり返すことは、決して珍しいことではありません。
初期つわりは妊娠9週~12週頃をピークに、徐々に落ち着く傾向にあります。
しかし、多くの妊婦さんが中期以降に吐き気や食欲不振などのつわり様症状を再び経験しているのです。
これは単なる気のせいではなく、妊娠中期特有の身体の変化に由来する症状です。
原因を理解することで、不安を軽減し、適切な対処法を講じることができます。
妊娠中期につわりがぶり返す原因は複数あります
胎児の成長による胃腸への圧迫
妊娠中期に入ると、胎児は急速に成長を始めます。
子宮が拡大するにつれて、胃や腸など周辺の臓器が圧迫されるようになるのです。
この圧迫は以下のような症状を引き起こします。
- 消化不良による胃もたれ
- 胃酸の逆流による胸焼けや吐き気
- 腸の動きの悪化による便秘や腹部不快感
- 食べた物が完全に消化されずに残る感覚
特に、小柄な体型の方、多胎妊娠(双子など)の場合、または赤ちゃんが大きく成長している場合には、この圧迫感がより顕著に現れる傾向があります。
ホルモンバランスの変化がつわりを誘発します
妊娠初期から中期にかけてホルモンバランスに大きな変化が起こり、これがつわりぶり返しの重要な要因となります。
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の減少
妊娠初期、つわりの主な原因と考えられているhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は妊娠中期に向けて徐々に減少していきます。
このホルモンレベルの低下は、一度は落ち着いたつわりを緩和する要因となります。
プロゲステロン(黄体ホルモン)の増加
一方、妊娠が進むにつれてプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加していきます。
このホルモンは以下のような影響を及ぼします。
- 胃腸の運動を鈍くさせ、消化機能を低下させる
- 吐き気や胃もたれを引き起こす
- 体温調整機能を乱す
- 精神状態に影響を与える
エストロゲンの影響
妊娠を継続するために必要なエストロゲンも、中期から後期にかけて増加していきます。
これもまた、消化器系の不調につながる可能性があります。
つまり、初期つわりの原因であるhCGが減少しても、別のホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)の増加が新たなつわり様症状を生み出すという、複雑なメカニズムが働いているのです。
精神的ストレスと睡眠不足が症状を悪化させます
妊娠中期は、身体の変化に加えて心理的な負担も増す時期です。
- 出産に対する不安や恐怖心
- 妊娠中の生活変化への適応ストレス
- ホルモン変化に伴う気分の浮き沈み
- つわりの再発に対する不安
- 仕事や日常生活との両立への悩み
これらのストレス要因が自律神経を乱し、消化機能をさらに低下させることで、つわりぶり返しが悪化することがあります。
特に睡眠不足は免疫機能や消化機能を著しく低下させるため、十分な休息は症状緩和に欠かせません。
貧血がつわり様症状を助長します
妊娠中期に入ると、血液量の増加に伴い、妊婦さんの約20%が鉄欠乏性貧血を経験するとされています。
貧血は以下のような症状をもたらします。
- 倦怠感や疲労感
- めまいやふらつき
- 息切れや動悸
- 吐き気や食欲不振
つわり様の症状と貧血による症状が相まって、つわりぶり返しがさらに辛く感じられることがあるのです。
妊娠中期のつわりぶり返しの具体的な症状と特徴
初期つわりと似た症状が現れます
妊娠中期のつわりぶり返しでは、初期つわりと同様の症状が見られることが多いです。
- 吐き気や嘔吐
- 食欲の低下
- 特定の食べ物に対する好みの変化(食べ物の嫌悪)
- 異常な眠気や倦怠感
- 臭いに対する過敏反応
中期特有の追加症状も見られます
中期のつわりぶり返しには、初期つわりにはない症状も加わることがあります。
胃酸関連の症状
胎児の成長による胃への圧迫が原因で生じる症状です。
- 胃酸逆流による胸焼けや灼熱感
- 口の中の苦い感覚
- 食後の胃もたれが長く続く
- 夜間の不快感で睡眠が妨げられる
消化器系疾患の併発
妊娠中期に入ると、つわり様症状に加えて次のような疾患が併発しやすくなります。
- 逆流性食道炎
- 胃炎
- 胃腸炎
- 便秘や痔
症状が強い場合や疾患が疑われる場合には、医師の診察を受けることが重要です。
妊娠中期のつわりぶり返しに対する具体的な対処法
食事面での対策を実践しましょう
小分けして少量ずつ食べる
1日3食の大食いよりも、5~6回に分けて少量ずつ食べることが効果的です。
この方法の利点は以下の通りです。
- 胃への負担が軽減される
- 血糖値を安定させ、吐き気を軽減できる
- 栄養を継続的に補給できる
- 消化器系への圧迫感が減少する
消化の良い食材を選択する
妊娠中期のつわりぶり返しがある時期は、食材選びが重要です。
- 白粥やうどん、素うどん
- 豆腐や納豆などの柔らかいたんぱく質
- スープやみそ汁などの温かい流動食
- 新鮮な果物(バナナ、りんご、いちごなど)
- 温かい紅茶やはちみつ入りの飲み物
脂っこい食べ物や刺激物を避ける
症状が強い時期は、特に以下の食べ物は避けた方が無難です。
- 揚げ物や脂質の多い肉類
- 辛い香辛料を使った料理
- カフェインを含む飲料(コーヒーなど)
- 炭酸飲料
- 食器洗い洗剤のような強い臭いがする食べ物
栄養不足を避けるための対策
つわりぶり返しの時期こそ、適切な栄養補給が重要です。
- 鉄分の補給:レバーやほうれん草、プルーン、赤身の魚など
- カルシウムの補給:牛乳、ヨーグルト、チーズ(加熱したもの)
- たんぱく質の補給:卵、豆腐、白身魚
- ビタミンB6の補給:バナナ、サツマイモ、鶏胸肉
生活習慣の改善で症状を緩和します
十分な睡眠と休息を確保する
妊娠中期は身体が大きな変化を遂行している時期です。
1日8時間以上の睡眠を心がけることで、消化機能や免疫機能の改善が期待できます。
睡眠の質を高めるためには以下の工夫が有効です。
- 就寝前1時間はスマートフォンやパソコンを使用しない
- 寝室を暗く、涼しく保つ
- 就寝前のカフェイン摂取を避ける
- 毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつける
シムス位(横向き寝)で胃圧迫を軽減する
妊娠中期以降、横向き寝(特に左側を下にしたシムス位)は胃への圧迫を軽減し、つわり症状を緩和するのに効果的です。
妊娠クッションやボディピローを使用することで、より快適な寝姿勢を保つことができます。
ストレス管理と心理的ケア
精神的なストレスが症状を悪化させるため、以下の方法でストレス軽減を心がけましょう。
- 瞑想やマインドフルネスの実践
- 妊婦向けのヨガやストレッチ
- 信頼できるパートナーや家族との相談
- 妊婦さん同士の交流やサークル参加
- 専門家(助産師や医師)への相談
医学的な対策を検討しましょう
医師の診察と相談
つわりぶり返しの症状が強い場合、特に以下のような状況では医師に相談することが重要です。
- 毎日嘔吐が続き、水分や栄養補給ができない
- 体重が著しく減少している
- 極度の疲労感や倦怠感がある
- 尿の色が濃い(脱水症状の兆候)
- 腹痛を伴う症状
栄養補助食品の活用
医師の指導の下、以下の栄養補助食品の使用を検討することも有効です。
- 葉酸サプリメント
- 鉄分サプリメント
- マタニティ用総合ビタミン剤
- カルシウムサプリメント
ただし、すべてのサプリメントが妊娠中に安全とは限らないため、必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。
妊娠悪阻との区別と対応
通常のつわりぶり返しを超えた重篤な嘔吐症状は「妊娠悪阻」と呼ばれる医学的な状態です。
妊娠悪阻の特徴は以下の通りです。
- 1日に何度も嘔吐する
- 飲食がほぼ不可能な状態が続く
- 著しい体重減少(妊娠前の体重から5%以上の減少)
- 脱水症状を示す兆候がある
- 栄養状態が極めて悪化している
このような状態が見られる場合は、直ちに医師の診察を受け、場合によっては入院治療が必要になる可能性があります。
妊娠中期のつわりぶり返しに関する実例と体験談
胎児の成長による圧迫が原因だった事例
「初期つわりは妊娠10週で完全に落ち着いたのに、妊娠19週になって突然吐き気が戻ってきました。」
このような体験は多くの妊婦さんが報告しています。
医師の診察を受けたところ、順調に成長している胎児による胃への圧迫が原因と診断されました。
対処法として、医師からは以下の提案を受けました。
- 1日3食から6食への食事パターン変更
- 夜間のシムス位での就寝
- 消化の良い食材への限定
- 定期的な栄養チェック
これらの対策により、3週間程度で症状が大幅に緩和され、妊娠中期を快適に過ごせるようになったと報告されています。
ホルモンバランスの変化に伴うつわりぶり返し
「妊娠12週で完全につわりが治ったと思っていたのに、妊娠20週で再び強い吐き気に襲われました。」
ホルモン検査により、プロゲステロンレベルが著しく上昇していることが判明しました。
このホルモン増加が新たなつわり症状をもたらしていたのです。
対処策として以下が実施されました。
- 医師指導下での食事療法
- 生姜湯やはちみつレモン水などの伝統的な対策
- 瞑想とストレッチによる心身のリラックス
- 2週間ごとの医師の診察と栄養チェック
この方は、対策を講じることで妊娠中期後半には症状が軽くなり、無事に出産を迎えることができたと報告しています。
精神的ストレスと睡眠不足が関連していた事例
「職場での昇進話で忙しくなった妊娠中期、急につわりが再発しました。」
この妊婦さんは、仕事のストレスと妊娠による心理的負担が重なり、睡眠の質が著しく低下していました。
その結果、消化機能が低下し、つわり様症状が出現したのです。
改善のために取った行動は以下の通りです。
- 妊娠中の休職・転勤を会社に相談
- 妊婦向けヨガクラスへの週2回参加
- 夫とのカウンセリング受診
- 毎晩のアロマテラピーと瞑想
- 週1回の妊婦健診時の心理相談
ストレス軽減により、妊娠22週にはつわり症状が大幅に改善され、仕事にも復帰できるようになったとのことです。
貧血対策により症状が改善した事例
「吐き気だけでなく、いつも疲れていて、少し動いただけで息切れがします。」
血液検査により、妊婦さんの血清鉄濃度が著しく低下していることが判明しました。
この鉄欠乏性貧血がつわり症状を悪化させていたのです。
医師から処方された対策は以下の通りです。
- 処方される鉄剤サプリメント
- 鉄分が豊富な食材の積極的な摂取
- ビタミンC含有食品との組み合わせ(鉄の吸収促進)
- 月ごとの血液検査による経過観察
6週間の鉄剤投与で血清鉄濃度が正常に戻り、つわり症状も同時に軽減されたと報告されています。
まとめ:妊娠中期のつわりぶり返しは理由がある症状です
妊娠中期のつわりぶり返しは、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状です。
決して気のせいではなく、複数の医学的な要因に基づいた実在する症状です。
つわりぶり返しの主な原因は以下の4点に集約されます。
- 胎児の成長による胃腸への圧迫
- ホルモンバランスの変化(プロゲステロン増加)
- 精神的ストレスと睡眠不足
- 妊娠中期に見られる貧血
これらの原因を理解することで、適切な対処法を講じることができます。
食事療法(小分けして少量ずつ、消化の良い食材)、生活習慣の改善(十分な睡眠、シムス位での就寝)、ストレス管理、栄養補給など、自分で実践できる対策が多く存在します。
ただし、症状が強い場合や改善しない場合は、医師の診察を受けることが重要です。
妊娠悪阻など、医学的な治療が必要な状態もあるため、判断に迷う時は遠慮なく専門家に相談してください。
妊娠中期は赤ちゃんの大切な発育期間です。
つわりぶり返しは辛いものですが、原因を理解し、適切な対策を講じることで、多くの場合は症状を軽減させることができます。
妊娠中期のつわりぶり返しと上手に付き合うために
妊娠中期のつわりぶり返しに直面している、またはこれからそうなる可能性があるあなたへ、心からお伝えしたいことがあります。
これは一時的な症状であり、必ず改善するということです。
多くの妊婦さんがこの時期を経験し、その後快適な妊娠生活を送っています。
症状が辛い時は、自分一人で抱え込まず、パートナーや医師、助産師に頼ってください。
周囲のサポートを受けることは、決して甘えではなく、あなた自身と赤ちゃんの健康を守るための重要な行動です。
この記事で紹介した対策は、すべてを一度に実施する必要はありません。
あなたの状態に合わせて、無理のない範囲で、一つずつ試してみてください。
食事のパターンを変えてみる、睡眠時間を意識的に増やしてみる、ストレッチを試してみるなど、小さな行動の積み重ねが大きな変化をもたらします。
何より大切なのは、妊娠中期のつわりぶり返しは一時的な現象であり、あなたの体が赤ちゃんを成長させるために必死に働いている証だということです。
この大変な時期を一緒に乗り越えることで、出産に向けた準備が進んでいきます。
症状と上手に付き合いながら、赤ちゃんの成長を感じ、妊娠の喜びを味わってください。
あなたの体と心は、想像以上に強く、しなやかです。
その力を信じて、妊娠中期を過ごしていってくださいね。